8億円超えのフェラーリも!「億単位」が連発したレトロモービルのクラシックカーオークション

Tomonari SAKURAI

総額50億円の売り上げを見せたレトロモービル・オフィシャル・オークショニアのアーキュリアル。もっとも高値を付けたのが1951年フェラーリ 340 アメリカ バルケッタ ツーリング スーパーレッジェーラ。落札価格は8億円だ。この車両は、ブガッティとフェラーリのコレクターとして知られるバート・ロスマンが放出したものだ。

1951年のル・マン24時間、ツーリストトロフィー、53年にセブリング12時間、1954年にはデイトナスピードウィークに参戦した。今回もっとも高値のついたフェラーリ340アメリカ バルケッタ ツーリング スーパーレッジェーラのコクピット。

他にも、彼のコレクションからは1929年 ブガッティ Type 35 Cが3億円超え、1931年ブガッティ Type 43 Grand Sport “プリマドンナ”が2億円超えと、いずれも億を超える価格で落札された。

ガレージに10年間保管されていたランボルギーニカウンタックLP400は1億3000万円を超えた。走行距離が2万キロちょっとというフェラーリF40は3億円を超え、アールキュリアルは全体の85%を販売しきった。

シリアル番号9の極めて初期のモデル。“periscopio”バージョンでオリジナル度が高く、長くガレージに収まったままだった一台。そのため展示でも埃をかぶったままの状態でディスプレイされていた。

オークションが始まる前には今回の目玉としてフェラーリ250LMが登場。60周年を祝っての販売も兼ねているようだ。32台製造された車両のうちの10台目。残念ながら最低落札価格に達せずお流れとなった。一体いくらを狙っていたのだろうか…

今回一番の目玉はこのフェラーリ250LM。前夜祭ではムービーを使ったプレゼンテーションが行われるなど力の入れ方が違った。が残念ながら落札ならず!

ここまで「億単位」の話ばかりしたが、オークションに出品された300台以上の車両の中にはミニや2CVなども出品されていた。それでも124kmしか走行していないという1991年の2CV 6 Clubはなんと600万円近い価格で落札。2CVでも4X4のサハラは1300万円という結果となった。

シトロエン2CVは何台か出品。その中の一台は4X4のサファリ。

展示されている中で、目を奪われるものが一台。それは車というよりもUFOのようなもの。ルノー・レイナステラ・コンセプトだ。1929年のルノー・レイナステラにちなんで“2328”と名付けられたこの車は300年後の車をデザインしたもので、ユーロディズニーのスポンサーとして2002年まで展示された。その後も2003年のリヨンでのモーターショーで発表され、2004年のレトロモービルに登場。2006年にはシャンゼリゼのアトリエルノーでも展示された。バイオ有機エンジンを持ち、市街地は15cmほど浮かせて現在と同様に50km/hで走行、それ以外は高度150m付近を300km/hで走行する…というもの。こちらは1000万円で落札された。

30年前にルノーで作られた300年後の未来の車レイナテスラ。1000万円で未来を手に入れた人がいる!

日本車ではトヨタのランクルやホンダNSXなども登場。日本に関わりのある車両ではJSPCを闘ったTRUSTポルシェ962C。1991年のレースのためにオーダーした2台のうちの1台だ。4月の鈴鹿と10月のオートポリスを走った。すでにグループCの新時代の幕開けの年。翌年からはTRUSTはトヨタ92Cへと変わっていったため、これが最後の962Cというわけだ。すでにレストアを済ませ、ヴィンテージレースに参加中。豊富な予備パーツ付きで1億5000万円で落札された。

日本を走り抜けたトラストポルシェ962C。

バイクに目を移すとホンダCB750K0が登場。アメリカから渡ってきたこのモデル、走行距離は647マイルで全塗装はされている。落札価格は350万円。

昨年から見かける現行トライアンフをカスタムしたTAMARITのモデル。目を引く美しいモデルはこのオークションを1つの宣伝の場としているようだ。また別の機会でお知らせするがこのレトロモービルの開催中、パリ市内で行われた別のオークションにも登場することとなる。

現行トライアンフをベースにTamaritがカスタムしたCirce。昨年から見かけるようになった。隣はホンダのCB750K0。

もう一台のカスタムはカワサキW800ベースのもの。これは隅田川のアサヒスーパードライホールをデザインしたフィリップ・スタルクの手によるものだ。こちらは450万円超えのプライスで落札だ。

といった具合に今年も大盛況だったアーキュリアルのオークション。同時期にパリでは2大オークションが繰り広げられていた。そちらも是非見ていただきたい。・・・とその前に、レトロモービルからもうひとつ。次回は気になるポルシェをじっくりご紹介する予定だ。乞う御期待。

オークションの最後を飾ったのがデロリアンDMC-12。数少ない5速マニュアルで、2万キロ以下の走行距離。オリジナルのコンディション。落札価格は1200万円。


写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

Tomonari SAKURAI

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