フェラーリ・チャレンジ、日本単独のシリーズ開催を発表！気になる参戦費用は？

2022 年12月13日、 フェラーリのコルセ・クリエンティ部門は、2023年に「フェラーリ・チャレンジ・ジャパンシリーズ」を創設し、国内４つのサーキットでフェラーリ488 Challenge EVOによるワンメイクレースを開催することを発表した。

現在、フェラーリの主なモータースポーツ活動は、F1チームを「スクーデリア・フェラーリ」が、それ以外のモータースポーツ活動を「コルセ・クリエンティ」という部門が統括している。

「コルセ・クリエンティ」とは、いわゆるカスタマーレーシングのこと。WEC（FIA世界耐久選手権）や国内のSUPER GTなどに参戦するチームにGTカーを販売、サポートするなどしている。2022年シーズンのSUPER GT GT300クラスでも488をベースとした488 GT3が参戦していた。

またFXX、599XX、FXX Kなど限られたオーナーのみが所有できるサーキット専用車で走行する「XXプログラム」、歴代のF1マシンを販売、管理し、そのオーナーが自らステアリングを握って走行する「F1クリエンティ」、過去のGTマシンのオーナーを対象に、走行会イベントなどを行う「クラブ・コンペティツィオーニGT」といったプログラムも用意している。



そういったさまざまな活動の中でも「フェラーリチャレンジ」は、約30年間続いているFIA公認のフェラーリワンメイクレースだ。1993年の348チャレンジにはじまり、「355チャレンジ」、「360チャレンジ」、「F430チャレンジ」、「458チャレンジ／EVO」、「488チャレンジ／EVO」と歴代のV8ミドシップシリーズをベースとした専用車両の“チャレンジ”で競われてきた。

欧州をはじめ、北米、アジア・パシフィック（APAC）の3地域に加えて、2019年からはUKシリーズもスタート。近年、日本国内でのレースは、APACシリーズ内で行われてきたが、コロナ禍にあって海外への転戦も困難となり開催中止を余儀なくされてきた。そこで2023年からは日本国内でジャパンシリーズを開催することなったというわけだ。単独の国で開催されるのは、イギリスに続く2カ国目になるという。発表会の冒頭、フェラーリ・ジャパン社長のフェデリコ・パストレッリ氏は、市場としての重要性、そしてカスタマーレーシングが盛んであることをジャパンシリーズ開催の理由に挙げた。

発表会は今秋オープンしたばかりの富士スピードウェイホテルで行われた。左から、 フェラーリ・ジャパンのモータースポーツ・ディレクター稲垣光司氏、フェラーリ・ジャパン社長のフェデリコ・パストレッリ氏、コルセ・クリエンティのアジア・パシフィック地域における責任者フィリッポ・ザニエール氏。

また発表会にはコルセ・クリエンティのアジア・パシフィック地域における責任者フィリッポ・ザニエール氏が登壇。多忙なビジネスマンが多くを占めるエントラントの負担を軽減するためジャパンシリーズでは、土曜日と日曜日の2デイレースとして開催。富士や鈴鹿といった国際的なサーキットを走行したい海外のエントラントもエントリー可能という。2023年は全5イベントで合計10レースを予定する。

2023年レースカレンダー
4月8〜9日　富士スピードウェイ
5月6〜7日　オートポリス
7月1〜２日　富士スピードウェイ、
7月15〜16日　鈴鹿サーキット
8月19〜20日　スポーツランドSUGO

フェラーリ・チャレンジの魅力は、ヘルメット１つでサーキットに向かえばいいということ。マシンの保管、メンテナンス、転戦のためのロジスティックはもちろんのこと、同行する家族のためのVIPラウンジなど、フルサービスが提供される。ドライバーにはコーチングが行われ、イタリアのAFコルセからメカニックが派遣され、メンテナンス体制がとられる。ドライバーには特設のロッカールームを用意。レースを終え、レーシングスーツやシューズをほうりこんでおけば、クリーニングされ次戦のロッカーに整えられているという流れだ。



まず購入すべきフェラーリ488 Challenge EVOの価格は4130万円。エントリーフィーは年間フル参戦で1360万円、シングルレースのスポット参戦の場合370万円。正式なエントリーの受け付けはこれからで、約20名のエントリーを見越しているという。


文：藤野太一　写真：フェラーリ・ジャパン
Words: Taichi FUJINO　Photography: Ferrari Japan