ホンダ・シビックは「インスタ映え」するのか !?

アメリカの運転教育プラットフォーム「Zutobi」は、自動車にまつわる面白いデータを発表することで有名だ。いわゆる“オウンドメディア”と呼ばれるインターネット・マーケティング手法のひとつで、面白い自社コンテンツを発信することで自社サイトへのトラフィック誘導を獲得しようとするもの。そんなZutobiが去る8月19日に発表していたのは、「インスタグラム投稿数クルマ・ランキング」である。

車両価格が高くて煌びやかで、いわゆる“映える”スーパーカーの類いがランクインするのだろうと思いきや、堂々の第1位を獲得したのはホンダ・シビック。実に515万回も投稿されているという。今年はシビック生産開始から50年。累計販売台数は2700万台を超える車だから、か。



そのほかリストを眺めてみると第2位は「ジープ・ラングラー」で502万回、第3位は「レンジローバー」で487万回、第4位は「ポルシェ911」で445万回、第5位は「フォード・マスタング」で411万回と続いた。ここで“レンジローバー”だけメーカー名が抜けていることに疑問を抱いた・・・。

そもそも、何をどうやってインスタグラムへの投稿数を計ったのであろうか？“計測方法”を読んでみると新旧の車名をリストアップしハッシュタグ検索した、と記載されている。そして、検索後にデータをEV、スーパーカー、クラシックカーと分類したようだ。検索対象期間区切っておらず、あくまでも累計投稿数であった。また、ハッシュタグ検索に入力したのは自動車メーカー名とモデル名だったり、モデル名だけだったり、と統一性はない。

物の試しに「レンジローバーランドローバー」で検索してみると、原稿執筆時点で6万1000回だった。また、入力する言語でも検索数は変わる。要はこのランキング、正確な投稿回数データというよりも、あくまでも“目安”として受け止めたほうがいい、ということかもしれない。ただ、インスタグラムがサービスをリリースしてから積もり積もった、ユーザーのリアルな“声”でもあろう。

電気自動車に目を向けてみると、テスラモデル3を筆頭に上位5位までテスラ車が占めていた。また、驚いたことに、まだ市販されていないサイバートラックが8位に食い込んでいた。日産リーフがアウディeTronを差し置いて6位にランクインしているのは、累計投稿数ゆえに“歴史”があるからだと解釈できる。



スーパーカーに目を向けてみると、その結果はなかなか興味深い。販売台数が少なく、新車時価格がずば抜けて高いものがランクインするかと思いきや、1位は「ランボルギーニ・アヴェンタドール」であった。第2位の「フェラーリ ラ フェラーリ」、第3位は「フェラーリ458」、第4位は「フォードGT」、第5位は「ブガッティ・シロン」と続いた。新車時価格の高さ、販売台数の少なさなどに相関性は全く見られない。



クラシックカーのランキングも興味深い。それこそ個人的には、全く予想だにしない結果だった。なんと第1位は「アウディ・クワトロ」、第2位は「デロリアンDMC-12」、第3位は「フェラーリF40」、第4位は「BMW2002」、第5位は「MG B」だった。Zutobiがどうクラシックカーを定義したのか定かではないが、片っ端から入力して“古め”の車をリストアップした結果であろう。



ところでインスタグラムの国別アクティブ・ユーザー数、ご存じだろうか？今年の7月時点で最多はインドでその数・・・、なんと2億6380万人なのだそう。続いてアメリカの1億5360万人、ブラジルが第3位で1億1196万人。第4位はインドネシアで9760万人、第5位はトルコで5360万人、日本は第6位で4710万人だという。ユーザー数の地域特性が影響するのかと思ったのだが・・・、やはり、よく分からない。

と同時に、ホンダ・シビックが偉大な存在であることに気づかされた。

なお、「Influencer Marketing Hub」によると、世界で最も使われているハッシュタグは以下の通りだという。

1位#love、2位#instagood、3位#photooftheday、4位#fashion、5位#beautiful、6位#happy、7位#cute、8位#tbt、9位#like4like、10位#followme。

今後はこのハッシュタグを意識して、インスタグラム投稿に臨もうと思った次第だ。


文：古賀貴司（自動車王国）　Words: Takashi KOGA (carkingdom)