謎だらけのイモムシは「地球外の車」!? 摩訶不思議すぎるユニークな「ETV」とは

(C) The Market by Bonhams

この、イモムシのような、昆虫のサナギのような、不思議な形をした車をご存じだろうか。名前は「ETV」という。「Extra Terrestrial Vehicle」の頭文字を取ったもので、直訳すれば「地球外の車」。宇宙からやってきた車と言われれば、なるほどその通りで、SF映画のセットから飛び出してきた車のようにも見えてくる。この車はアメリカのTVや映画の特装車両の製作を手掛けるMTV ConceptsのMike Vetterによって作られたものだと聞けば納得だ。

現在、オンラインオークションの「THE MARKET」に出品されているこの2008年ETVクーペは、どこから見ても奇妙奇天烈そのもの。ガルウィングスタイルのドアをはじめ、多くの摩訶不思議なスタイリングで仕上げられている。



謎めいた車である。現在この車両が出品されているオークションサイトにも「左ハンドルであることと、VINナンバー、そしてオドメーターが31,000を指していること以外の詳細はよくわかっていません」と書かれている。その他の情報として、この車は破産したとある博物館の所有物だったことがわかっている。

ドアの後ろには大きなスクープがあるが、この車はフロントエンジンであるため、機能を理解するのは難しい。搭載されているエンジンはシボレーアベオの1.6リッターの直列4気筒だという。車両に付属しているのはシボレーコバルトの取扱マニュアルだ。しかし、この車両が紹介されているYouTubeの動画などを見ると、2.2リッターのEcotecエンジンを搭載しているとも言われている。





この車には、駐車を支援するフロントカメラとリアカメラも付いているが、現在は機能していない。スピードハンプなどのある道路を走行するためのエアライドサスペンションシステムも装備されているが、これも現在は機能していない。

外観はメタリックレッドで、卵のようだ。ボディワークはかなり良い状態で、あちこちにいくつかの傷があるものの、何年もの間、「博物館」で管理されていたものであることを考えれば、時間や使用法についての問題はさほどないものと思われる。



比較する対象がないため、この車両が「良い個体」であるかどうかを判断するのは非常に困難だとオークションサイトはコメントしている。

ドアには船体にある小さな窓のような丸い窓があるが、現在は素通しの状態である。その周りには粘着テープのような痕跡があるので、何らかの形で窓を塞いでいたのではないだろうかと推測される。



インテリアも見てみよう。ほとんど無傷のように見えるが、実際にすべてが機能するかどうかはわからないという。前席の後ろにはちょっとしたスペースがあるものの、何に使うためかは不明だ。おそらく、物を置く場所として使うことができるだろう。





この車について、今わかっていることを改めて整理してみよう。
・左ハンドルであること
・数年間「博物館」にあったこと
・動画を見る限り、それがそれほど遠くない過去のある時点では走っていたこと
履歴やサービス記録、各種証明書もないため、購入を希望する人は自分の目で実車を確認して決断するしかない。



参考までに、修復可能な状態(だと思われる)のこの車両の推定落札価格は8,000~12,000ポンド(約130万~195万円)とされている。ある種のコレクターや、他人とは違った車にどうしても乗りたい人にとっては、この謎だらけの不思議な車両は理想的な1台であるに違いない。


(C) The Market by Bonhams

オクタン日本版編集部

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