古今東西のアートが京で融合する|全9室のスモールラグジュアリーホテル「THE SHINMONZEN」

THE SHINMONZEN

京都・祇園の新門前通。知恩院へと続く門前通りで、西は川端通りから東は東大路までを結ぶ。距離にしておよそ500メートルのこの通りは古美術商や美術商が軒を連ね、京都の古今アートの息吹を感じるストリートになっている。

その新門前通に昨年12月、一軒のスモールラグジュアリーホテルがオープンした。その名も「THE SHINMONZEN」。町並みにしっとりと溶け込む佇まいは、ややもすればホテルとは気付かずに通り過ぎてしまうかもしれない。しかし、その入口に一歩足を踏み入れれば中には別世界が広がっている。



安藤忠雄がデザインを手掛けたというこのホテルは、京都の伝統を守りながらも非常にモダンでスタイリッシュ。聞けばフランス・プロヴァンスの美しいヴィラスイートとして名高い「ヴィラ・ラ・コスト」の姉妹ホテルなのだという。ヴィラ・ラ・コストが位置する「シャトー・ラ・コスト」は自然とアートが融合する広大な空間。ワイナリーと美術館も有しており、その美術館の一部も安藤忠雄の手によるものだ。

コスモポリタンなインテリアデザインで知られるレミ・テシエやアーティストの友人たちが、京都の伝統を重んじながらデザインしたTHE SHINMONZEN。全9室の客室はすべてスイートで、部屋の設えは部屋ごとに異なる。明るくのびやかで柔らかな光の中に、厳選されたソファや一枚板のテーブル、ヒノキのバスタブ、大理石のカウンターなどが、各部屋を彩っている。







各スイートのバルコニーからは四季折々の祇園白川の情景を臨むことができる。特に最上階のスイートの広々したバルコニーは最高のおもてなし空間。川沿いの桜や紅葉を愛でながら過ごす時間は、忘れられないものとなるだろう。







京都での開業にあたり、10年以上の歳月をかけて立地の選定からじっくり吟味しオープンしたTHE SHINMONZENには、オーナーの審美眼に叶った国内外のモダンアートの数々が随所に飾られている。アートをこよなく愛するオーナー自身がデザインしたというチェアも実はホテル内に置かれているが、主張することなく実にさりげなく馴染んでいたのが印象的だった。実際にTHE SHINMONZENを訪れた際にぜひ探してみてほしい。



現在は宿泊者のみが利用できるこのTHE SHINMONZENだが、本年4月には世界的に高名なシェフ、ジャン-ジョルジュ・ヴォンゲリスティンが手掛けるレストランが京都に初めてオープンする予定だという。彼のモダンフレンチが京都の食文化と融合したら、いったいどんな料理が生まれるのか。京都を訪れる楽しみがまたひとつ増えそうだ。


THE SHINMONZEN
〒605-0088 京都市東山区新門前通西之町 235
TEL: 075 533 6553
https://theshinmonzen.com

オクタン日本版編集部

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事