アストンマーティンがフォーミュラ1のオフィシャル・セーフティーカーに選定

Astonmartin

今月末、ついにアストンマーティンがFIAフォーミュラ1世界選手権舞台に復帰する。開幕戦のガルフエア・バーレーン・グランプリスターティング・グリッドに並ぶ2台レースカーだけではない。フォーミュラ1の歴史において初めて、ウイングマークで有名なこの英国ラグジュアリーブランドが製造する車両が、オフィシャル・セーフティーカーおよびメディカルカーに選定された。

このセーフティーカーは、世界最速のレーシングカーが走るF1レースにおいて、必要に応じて介入を行い、ペースをコントロールするというきわめて重要な役割を担う。そのため、製品ラインナップ中でもっともパワフルなアストンマーティンヴァンテージをベースとして特別仕様車が開発された。英国ゲイドンアストンマーティン本社に在籍する、経験豊かなチームが開発したこの車両は、シャシーと空力性能に大きな改良が加えられている。FIAが定めた規格に準拠させるため、さらに数カ所変更が加えられたこのセーフティーカーは、ヴァンテージはパフォーマンスを限界まで引き上げている。

アストンマーティン初のSUVとしてきわめて高い評価を受けているDBXは、フォーミュラ1オフィシャル・メディカルカーに選ばれた。これにより、緊急事態が発生した場合、そのパワーとハンドリング性能をフルに発揮して医療チームを現場に急行させることができる。

アトンマーティン Vantage - フォーミュラ 1オフィシャル・セーフティーカー

フォーミュラ1セーフティーカーを担当して 20年以上の経験を持つFIA指定ドライバー、ベルント・マイレンダー(独)がステアリングを握るこのアストンマーティンは、レース中つねにピットレーンで待機している。



悪天候や事故発生時、セーフティーカーはレースコントロール担当者の判断によってサーキットに導入される。かつてレースに参戦していた経歴を持つドライバーベルント・マイレンダーとコ・ドライバーのリチャード・ダーカー(英)がセフティーカーを運転してレースカーの先頭に立つと、各車ペースをコントロールして事態の解決を待ち、またサーキット・オフィシャルの安全な事故対応を可能にする。

F1マシンは、理想的でない低走行が続くとタイヤの温度が下がってしまうため、オフィシャル・セーフティーカーもまた速いラップでサーキットを走行できなくてならない。アストンマーティン・ラゴンダ最高経営責任者(CEO)トビアス・ムアースは、その要件をもとにエンジニアリングチームに指示を出し、スポーティーなヴァンテージのサーキット・パフォーマンス向上とラップタイム短縮に取り組んだ。

その結果、出力は25PS向上して535PSを達成。搭載されている排気量4.0リッターのツインターボV8エンジンで、0~60mph(約 96km/h)の加速はわずか3.5秒と圧倒的性能を発揮する。685Nmの最大トルクに変化はないが発生域はさらに広くなり、トランスミッションを改良したことで、アップシフト時、ダウンシフト時の両方でダイレクト感、精度およびコントロール性能が向上した。ベーングリルと新しいフロント・スプリッターを組み合わせることで、200km/h走行時に 155.6kgのダウンフォースを発生する。これは、量産バージョンのヴァンテージが同じ速度で発生する値を60kg以上も上回っている。サスペンション、ステアリング、ダンパーなどにも改良が施され、さらアンダーボディブレーシングも細部にわたって手直しが行われ、構剛性も向上している。車両全周にエアロキットを装着し、ロープロファイル・タイヤを装着するアストンマーティンヴァンテージオフィシャル・セーフティーカーはF1マシンが走るサーキットで活躍する資格を完璧に備えている。



アストンマーティンはスポーツカー・レースの世界において輝かしい業績を残している。昨年のル・マン24時間レースの複数クラスでタイトルを手中に収め、FIA世界耐久選手権でマニュファクチャラー・チャンピオンを獲得し。これらの成功からフィードバックされた技術的な進化、フォーミュラ1で使われるセーフティーカーに搭載されるシステムにも貢献している。セーフティーカーが持つ独自要件で、トップスピードからクールダウン・ラップなしにピットレーンでアイドリング状態に戻ることができなければならない。そのため、信頼性が高く堅牢な熱管理システムが非常に重要な要素となる。数多くの栄冠を手にしてきたヴァンテージGT4レースカーに使われ、極状況および過酷な温度環境下で性能が証明された冷却システムを備えたアストンマーティンは、そのテクノロジーをセーフティーカーにも採用している。ボンネットに、冷却効率をさらに高めるためにエアベントが追加された。

ヴァンテージ市販車が装着するピレリ製ロードタイヤと組み合わせて高性能なカーボンセラミック・ブレーキがセーフティーカーにも搭載され、フロントグリルには外から見えない位置にブレーキダクトが追加され、冷却性能を高めてある。



セーフティーカーの外装は、2021アストンマーティン・レーシンググリーンを纏ったアストンマーティン・コグニザト・フォーミュラ 1チームマシンからヒントを得たもので、60年にわたるブランクを経てフォーミュラ1の世界へと戻ってきたことを記念して特別に開発された。セーフティーカーのフロント・スプリッター「ライム・エッセンスピンストライプがハイライトとなる。このカラーはレース血統を物語るもので、最近ではFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦して、素晴らしい結果を残したヴァンテージが採用していたものだ。フォーミュラ1オフィシャル・セーフティーカーが採用する他の特徴と、FIAセーフティーカー専用グラフィック、ボディサイドにマウントした無線アンテナ、LEDリア・ナンバープレート、そしてアストンマーティンが手がけたルーフマウント式カスタムLDライトバーなどがある。

このライトバーは、ルーフラインよりも高い位置にあるカーボンファイバー台座に据えられる。プロフィールはエアロダイナミクスを念頭においたもので空気抵抗は最小に抑えられ、エアフローを整えて大型アウイングへと導くように設計されている。このオフィシャル・セーフティーカーがサーキットに導入される際に、鮮やかなオレンジがライトバーが外周部に点灯する。レースリーダーがマシン前に到達したら、中央部にある黄色いライトが点滅して全面な追い越し禁止を示す。安全が確保されてレースが再開となった場合、 中央部に2つ設置されたグリーンのライトが点灯する。また、ヘッドライトとテールライトも点滅して、セーフティーカーの安全なコース進入をサポートする。リアのナンバープレートLED照明によってSAFETY CARの文字が浮かび上がり、あらゆる天候条件で後方から明確に視認することができる。ライトバーに後方用カメラも設置されていて、ライブ画像を室内に設置された2番目のバックミラーに送り、コ・ドラバーが後方のマシンの動きを監視できるようになっている。



車内を見ると、市販車用シート、FIA認証レーシングシートに交換され、F1マシンと同じ6点式ハーネスを装備している。ダッシュボードに2つの画面が取り付けられており、ドライバーとコ・ドライバーに対してライブテレビ映像と、最新ラップタイムや走行する車両位置などのカスタマイズ可能な情報が提供される。センターコンソールもまた、 大幅に変更されている。ロータリー・ダイヤルカップホルダーの位置まで移動され、空いた場所にサイレン起動、無線通信、ライトバーのLED制御といったさまざまな作動を制御するスイッチ・コントロール・システムが設置される。インストルメント・クラスターとダッシュボードにルメント・クラスターとダッシュボードに「マーシャリング・システム」が統合され、ドライバーとコ・ドライバーはサーキット上で何色のフラッグが出されているかLEDの色で判断することが可能となっている。これは、F1マシンにが義務づけられているシステムと同じものだ。車両最上部と車内にはTVカメラが設置され、テレビのライブ放送を受信することができる。

セーフティーカーのドライバーであるベルント・マイレンダーは、次のようにコメントしている。

「世界中のフォーミュラ1ファンは私と同様、アストンマーティンがサーキットに戻ってくることを喜んでいます。このオフィシャル・セーフティーカーは美しく、高いパフォーマンスを備えたクルマであり、アストンマーティンのエキサイティングな新時代を示すものです」



オクタン日本版編集部

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