16の世界記録を樹立!平均速度156mphで60時間を走破したメルセデス・ベンツ

daimler



1976年6月、ナルド・テストトラックでC111-ⅡDは平均速度156mph(251km/h)で60時間を走破し、16の世界記録を樹立した。4人のドライバーが2時間半ずつステアリングを握り、何の問題もなく次々と記録を更新していったのである。16の新しい記録のうち、5000マイルと1万km、そして1万マイルの記録はディーゼル車両部門にとどまらず総合でのタイトルである。ついでにいえばチャレンジの間に0-62mph(0-100km/h)加速6.8秒というタイムも記録している。
 
メルセデス・ベンツのデザインチームはさらにC111を進化させ、Cd=0.183という当時としては史上最小の空気抵抗係数を持つC111-Ⅲを開発し、1978年4月30日に再び長距離テストドライブに臨んだ。だが迷い込んだ一匹のハリネズミに妨げられてリアタイヤがバースト、ボディワークに深刻なダメージを受けて走行を中止せざるを得なかった。ただし、リザーブカーによってさらに速く高効率であることを証明することができた。



それ以上のアクシデントもなく12時間の走行の結果、C111-Ⅲは200mphを超える最高速を記録し、平均速度186mphでほぼ18mpg(英ガロン4.55リッターとして6.37km/L)という数値を含めて9個の世界記録を達成した。さらに1979年5月5日、500bhpの4.8リッター V8ツインターボを搭載したC111-Ⅳは、平均速度251mphでサーキットでの世界記録を更新したのである。

 
V8搭載のC111-Ⅱのステアリングホイールを握りながら私は自問した。「ナルドをフラットアウトで12時間走り続けたいと思うか?」正直に言えば、実際にはそれほどドラマチックではないはずだ。C111は車輪のついた実験室である。速く、精密で計算されつくされている。まさしくスーパーカーのメルセデス・ベンツなのである。もっとも、私はナルドを走った実際の車に乗った男を知っている。リチャード・ヘセルタインがどう感じたかに耳を傾けてみよう。

オクタン編集部

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