輝きは今も色褪せないポルシェ初のグランツーリスモの革新

Porsche AG



ポルシェ初のグランツーリスモとしての開発された928は、後部座席と十分な広さのラゲッジスペースを備え、長距離を快適に移動できるパッケージだった。「当時は大型クラスにカテゴライズされましたが、今見ると非常にコンパクトなサイズです。これほどフラットでエレガントな V8スポーツカーは他にないでしょう」というのは、1989年から2004年までポルシェのチーフデザイナーを務め、プライベートでも3台以上の928を所有しているハーム・ラガーイだ。

911の遺伝子を受け継ぎつつ、全く新しいモデルとして当時の最先端技術の粋を集めて1977年3月のジュネーヴ・ショーでワールドプレミアを飾った928は、世間に大きな反響を巻き起こした。ドイツを代表する経済紙シュピーゲルは『フォルクスワーゲンの元 CEO のルドルフ・ライディング、発売と同時に妻へのプレゼント用にポルシェ 928を購入』、『これほどまでにポルシェの強運を見せつけたスポーツカーは928の他に存在しないだろう』と書き綴られていた。



928は1978年に欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した後も改良が続けられ、最高出力は240psから最終的に350psまで向上した。1991年にはモデルレンジにおける最後の進化形とも言うべき928GTSが発表され、1995年に生産が終了されている。その間の生産台数は6万1056台に達している。

928のデザインを手がけたラガーイは今でもポルシェ928 を見るたびに感動し、当時の興奮を思い出すという。「928とは、ポルシェという世界における新大陸のような存在でした」。その輝きは今も色褪せない。

オクタン日本版編集部

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