納屋から発見された超貴重なマセラティ│購入したオーナーのコメント

Artcurial

2013年にフランス・シャトーで発見された。納屋というよりは、牛小屋と言ってもいいような小屋にずらりと並んでいた名だたる車。その一部は石造りの小屋に眠っており、とりわけ貴重な2台は、ガレージに保管されていた。とはいえ、老朽化の程度にさして変わりはない。緩やかな丘が続くフランス西部の美しい村にけだるく佇むシャトーの敷地内にひっそりと眠っていたのは、誰もが目を見張るにちがいない車のコレクションだった。その車の荒れ果てた状態が、この情景をさらにロマンティックな雰囲気に演出している。

バイヨン・コレクションと名付けられ、すべてがオークションに出品された。そのラインナップは、フェラーリ・カリフォルニア・スパイダーやブガッティT57ヴァントー、マセラティA6G2000グランスポーツ・フルア、ファセル・ヴェガ・エクセレンス、タルボ-ラーゴやドライエなどのワンオフといった貴重な宝物。バイヨン・フェラーリはすでに路上に戻ったが、同じ納屋から発見された他の車を手に入れた新しいオーナーはもっと長い時間をかけて、そして異なる考え方を持っていた。今回は特に貴重な一台であるマセラティを購入したオーナーのコメントをご紹介。


1956年 マセラティ A6G 2000フルア
「最初はオリジナルのコンディションにレストアするつもりだった」と語るのはサンディエゴ在住の建築家であるジョナサン・シーゲルだ。彼はこう語っている。

「オークション中、私の入札額はトップだったんだが、私にはその額が出せる限界だった。だけど170万ドルまで上がっちまってね。もうだめだと思ったんだけれど、勢いで172万ドルまで入れたらそれで終了となったんだよ。私が落札できて、子供たちは狂ったように大喜び。うちは金持ちなんかじゃない、普通のファミリーだから、このあとどうしようかと思ったよ」




「走行可能な状態に修復したが、現在の様子が気に入ってしまった。その走りっぷりが好きなんだ。2015年のペブルビーチに持って行き、プリザベーションカテゴリーでクラス2位を貰った。信じられないほど注目されたが、そのうえロジェ・バイヨンの孫娘が会いに来てくれた。彼女とこの車について、彼女の祖父について話をしたことは特別な思い出だ」

「息子のマシュー、娘のブリトニーを連れてアールキュリアルのオークションに出かけたんだが、これを手に入れる過程で素晴らしい人たちと知り合うことができた。そのうちにラリーやイベントに出るつもりだ。以前アレマーノのA6Gをレストアしたが、これは今のところ直す予定はない」

なお、このマセラティは1956年のパリ・モーターショーで展示されたというヒストリ―も持っている。その落札額は196万2400ユーロ(約2億4137万円)だった。

オクタン日本版編集部

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