ベントレー・モータースのエンジニアリング責任者、ヴェルナー・ティーツはこうコメント。「初代V8はパフォーマンスの大幅なステップアップに加え、スムーズさ、信頼性、洗練性の向上を目指して設計されました。過酷を極めた試験は数十万マイル以上に及び、500時間のフルスロットル試験も行われました。その精神はBentleyが誇る6¾リッターV8にしっかりと受け継がれ、現行Mulsanneの成功を支えています」
初代V8エンジンの開発が始まったのは、ベントレー本社が現在のクルーに移転して間もない、1950年代初頭のこと。Mark VI、R-Type、S1に搭載されていた6気筒エンジンに代わる新エンジンを秘密裏に開発するという命を受けたのは、シニアエンジンデザイナーのジャック・フィリップスであった。
フィリップスは、6気筒が収まっていたボンネット下のスペースにぴったりはまるサイズで、重量を増やさず、出力を50%以上アップするエンジンを目指す。彼はチームスタッフとともに、当然の流れとしてV型に辿り着き、設計開始からわずか18か月でエンジン性能試験にこぎつけたのだ。
形になったばかりのエンジンに対して行われた試験は過酷なものであった。テストベンチで500時間以上のフルスロットル試験、路上で数十万マイルの走行試験がそれぞれ実施され、新エンジンの真価が問われた。試験が完了すると今度は熟練検査官らが新エンジンを分解し、最高レベルの厳格な基準を満たしているかどうかの点検が行われたという。
そうして誕生した6.2リッターV8エンジンは、6気筒より30ポンドの軽量化を実現。1959年には、そのV8エンジンを搭載したBentley S2が発売されました。S2には、エアコンディショニングやパワーステアリング、電動式ライドコントロール、プッシュボタン式ウィンドウリフトなど、当時世界最先端の豪華な装備が搭載されており、革新的な1台であった。
オクタン日本版編集部
2024.04.07
フランス・ミュールーズにある世界最大規模の自動車博物館を探訪|560台 ...
紡績王シュルンプ兄弟によるコレクションが展示される国立自動車博物館。その後半は弟フリッツの車、特にレースへの情熱で集められたレーシングカーのコレクションを中心に紹介していく。自らブガッティType35 ...
2024.04.12
イタリアを代表する御曹司が特注した、ミリタリー仕様のフェラーリ458イ ...
イタリアを代表する華麗なる一族といえば、フィアットを創業したアニェッリ家であろう。フィアット社を通じて1969年にはフェラーリとランチアを、1986年にはアルファロメオを、そして2009年にはクライス ...
2024.04.16
モーニングクルーズ ロータスエリートミーティング&オールドロータス|新 ...
代官山 蔦屋書店で毎月第2日曜日に開催しているモーニングクルーズ。4月14日はロータスエリートミーティングとジョインし、オールドロータスをテーマに開催された。(ここで指す「エリート」は「初代エリート」 ...
2024.04.11
モデナで作られるマセラティ純血エンジンを搭載した名車たち
初開催のフォーミュラE東京大会で衝撃的な優勝を遂げてからまだ1週間と経っていないのに、今度は独自開発したV6エンジンに的を絞ったサーキット試乗会を行なうというのだから、最近のマセラティはなんともアグレ ...
2024.04.08
海外にも多くのファンを持つ「元祖・COOL JAPAN」|モデルファク ...
ポルシェやフェラーリの名前は知っていても、モーガンやパガーニの名前を知らない“クルマ好き”はいる。模型の世界でも、タミヤや京商の名前は知っていても「モデルファクトリーヒロ」の名 ...
2024.04.12
連載:アナログ時代のクルマたち|Vol.24 ポルシェ356Aスピード ...
ポルシェの名が付くスポーツカーが誕生したのは第2次世界大戦後のことである。その基本構造が、同じポルシェ博士が開発をしたフォルクスワーゲン・ビートルと同じだったことから、“ビタミン剤を飲み過 ...
2024.03.29
ランボルギーニ、その60年はV12と共にあり|60 Years of ...
ランボルギーニの起源にまつわる物語はよく知られている。イタリアン・エキゾティックの世界で新参者のフェルッチョが注目を集めるためには、フェラーリに匹敵するエンジンを持たねばならなかった。そこで彼は世界最 ...