70年代の雑誌編集長が明かすロードテストで気に入って買った車と後悔した車

PHOTOGRAPH Mel Nichols



1970年代にイギリスの『Car』誌でコラムニストを務めていたロナルド・バーカーが、ロードテストにまつわる苦い思い出を語る。

私は少々決まりの悪い思いをしたことがある。新車のイソ・グリフォをテストするため、イタリアへ出向いたときだ。あの頃は広報車など存在しなかったから、ドイツの顧客のグリフォを使った。オーナーは自分の車がスピードテストに使われるとは露ほども知らなかったに違いない。

私はイソのメカニックを乗せてファクトリーを出た。240km/hには到達したいと思っていたのだが、私たちはアウトストラーダの入口にすら到達しなかった。リアアクスルがキーンとひどい音を立て始めたので、テストを断念するしかなかったのだ。



私が決まりの悪い思いをしたのは、問題を起こしたソールズベリー・ユニットが母国イギリス製だったからだ。それで思い出したことがあった。かつてW. O. ベントレーは、自身が設計したラゴンダV12について、私にこう話していたのだ。あの車でトラブルが出なかったのはファイナルドライブだけだった、そしてそれはアメリカ製だった、と…。

Words:Ian Frazer  抄訳:木下恵

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