積み重ねた経験を活かしながら、車好きならではの道を歩む新たな挑戦
1994 年に英国アストンマーティン社から日本における独占販売権を取得し、23 年間に渡りアストンマーティンの正規輸入元、また正規ディーラーとして、大きな役割を果たしてきたアトランティックカーズ。そして2017 年3 月31日をもってアストンマーティン社との契約が満了した。
アトランティックカーズのスタートは1952 年のアトランティック商事設立に遡り、その歴史は65 年におよぶ。アストンマーティンとの事業提携は、日本においてまだアストンマーティンの販売台数がそれほど多くなかった時代から。ロータスの輸入元だった時期もあり、他にもヴェンチュリー、スパイカーなども取り扱ってきた。つまりアトランティックカーズは、趣味性の高い希少車だけにこだわり続けた会社であり、個性の強いブランドを扱う仕事には長けたDNAを持っているということになる。さて、アトランティックカーズは、これからどのように進化を遂げていくのだろうか。その点について代表取締役であるの野澤隆之氏の想いは明確である。
答えは「車好きが経営する車屋」というコンセプトを守り続けていくこと。
今まで通り、顧客の要望に沿った様々なサービスを提供していく一方で、より注力していくのはクラシックカーの世界である。自動車の分野において、これからは日本一の修理およびレストレーション・ファクトリーを志向していくという。
車趣味の究極とも言えるヴィンテージの世界において、それらを快適に楽しんでもらえるように、ヘリテージ部門を強化してゆく。東京都港区麻布台のショールームは従来通りの営業を続けていくと同時に、足立区鹿浜橋のサービスセンターも機能を強化して継続する。さらに人員や施設の増強も図っていく。
軸足はヘリテージに
アトランティックカーズが所属するYasuda Shipyard Groupは、イタリアの流麗なクルーザーAZIMUT /BENETTIや、秀逸なデザイン・ファーニチャーB&B ITALIAの独占輸入権を持ち、日本におけるブランディング展開も行っている。扱う商品は異なってもベースに
流れる事業ポリシーは同じ。それは「好きな商品だけを扱う」ことだ。
長年築いてきた絆を活かし、イギリスのニューポートパグネルにあるASTONMARTIN Works(アストンマーティンワークス)との交流は今後も大切にしていくという。このWorksという存在がASTONMARTIN VINTAGEの頂点に君臨することは明白だが、そこには歴史の継承があり、当時のボディパネルから完全なるレストアを施すことも可能である。アストンマーティンワークスは、2016 年12月に、DB4GTを完全なる新車で販売するという企画を発表したばかりである。
これからは、同社が長く大切にしてきたアストンマーティンのスピリットを守り続けていき、フルレストレーションを施した希少車の販売を行っていく。そしてアメリカからヨーロッパまで、世界のV i n t a g e C a r Dealerのネットワークの中で最高の車を見つけながら、日本国内でもヴィンテージカーのネットワークを築いていく。
やがてはアストンマーティン以外にも、ジャガーやフェラーリといった価値ある車も取り扱っていくことになる。
野澤氏はすでに次の準備に余念がない。2017 年4月にはイタリアやイギリスにおいて多くのクラシックカーを視て回り、多くの情報を獲得して帰国した。車にとって欧州こそが本場。その息吹を感じながら、今までの正規ディーラーとは異なる、新たな道を切り拓いて
いく決意である。
理想の車屋の実現を目指し、アトランティックカーズの挑戦はこれから始まるのだ。
好機到来
アトランティックカーズ代表取締役の野澤社長が欧州を周って撮影したスナップ写真の、ほんの一部。多くのクラシックカーを視てきたことはもちろん、ヴィンテージの雑貨やスーツケース、建築に至るまであらゆる様式を会得してきたという。野澤氏はボートの世界においても知られた人物である。50Ft を超えるような大きなクルージングヨットも手掛ける野澤氏は、単にハードとしての造船だけでなくインテリアのディテールはもちろん、ライフスタイルを含めた生活そのもののアレンジを提案している。 欧米のように、庭先に大きな船を停泊できるリゾートプロジェクトも、すでに進行中だ。目指すはマスではない。一定の趣味人に対して大きな刺激を与えることはできると考えているようだ。
なお都内にあるサービスセンターも機能を強化して継続していく。また販売面での強化も考慮し、今後は新たなパートナーを開拓していくとのこよ。販売面のビジネスパートナーとして、まずUNDER ARMOURを展開する(株)DOME がもつ、福島県いわき市のDOME IWAKI BASEへの出店が確定した。
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