イギリスのロンドンに位置するハンプトンコート宮殿にて『コンクール オブ エレガンス2018 』が開催された。500年以上の歴史を持つ宮殿に、60台の個性溢れる車が集まり壮麗な景色を見せた。実用性あるものが求められるこの時代に、クラシックカーに手をかけながら愛して共に生きる人々の姿がそこにはあった。
歴史のあるものを重んじる文化を持つイギリス。ロンドン中心地より列車で30分ほどに位置するハンプトンコート宮殿にて、8月31日から9月2日にかけてコンクール・オブ・エレガンス2018が開催された。心地の良い蒼空も手助けし、来場者は1万3000人近くにもおよんだ。60台のメインコンクール展示車の中で最も多くの時を刻んできた車両は、1903年パナール・エ・ヴェッソールO4R、最も若い車両は今年の生まれであるフェラーリGTC4ルッソ。新旧バラエティに富んだ車両がずらりと並び、ゲストを迎える。
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初日は静けさのなか
この日は招待客やメディア向けであったため、会場に入ると車はあまりいない。あたかもメイン展示車のように置いてある販売店車両を見ながら過ごしていると、オーナーたちが会場に到着しはじめ、指示に従いながら車を停める。場内には常に車両磨き上げやメンテナンスを行うチームがいるが、ほとんどのオーナーたちは自らの手で愛車を磨き、ボンネットを開け、特に用もなく運転席に座ってみせたりしていた。オーナーではなく、車両を管理している人が運転してきているという場合もあるが、やはり、どこか車を見る目がオーナーとは違う印象を見受けられた。「責任感と共に生徒を見る先生の目」と「愛しい恋人を1日中見つめる目」くらいにそれは異なる。
少し奥に進んでみると、歴代の新旧アストンマーティンがずらりと並べられたエリアや、イードン・グリーン・セグラットが展示されていた。2018年のジュネーヴ・モーターショーで発表されたこのコンセプトカーは、1930年代のフランス車をイメージしてデザインされているが、ベースはシボレー・コルベット。角度によって見える色がまったく異なるボディには、460hpのV8エンジンを搭載している。また、メインコンクールの展示車ではないが、パープルカラーのフェラーリ・デイトナがどこか他とは違う雰囲気を醸し出していた。高貴でありながらも野心を忘れていない、デイトナのスタイリングの完成度の高さに改めて気付かされる。1日目は、落ち着いた雰囲気の中で空間を満喫することができた。
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