Bentaygaが繋ぐサロンコンサートとORIワイン|Osato Research Institute

Osato Research Institute

イギリス国教会宣教師アレキサンダー・クロフト・ショーが1885年、初めて夏場でも冷涼な軽井沢を訪れた。スコットランドの名貴族であったショー家の故郷を懐かしみ、それが縁で後にジョン・レノンも愛し過ごした、日本国内トップの避暑地、軽井沢がスタートした。2019年3月14日、そんな軽井沢とイギリスをつなぐ友好の歴史の新たな1ページとなるHRH Prince Michael of Kent公がイギリス王族として初めて軽井沢を訪問。友人であるYuki、Toshi Hayashi夫妻に会うためである。Bentleyの愛好家であるHRH PMKのために3台のBentaygaが王子と共に浅間山のドライブとオペラアリアの夕べを楽しまれたのは、つい最近の出来事のようであった。そして今回2024年7月26日、ORI(Osato Research Institute)Villaにて再度3台のBentaygaが集結、ORI Salon Concert in Karuizawaが開催された。



Salon Concertの始まり


3台の内訳はPersonalizedTreadplateがそれぞれ示す通り、2017年First Bespoke Mulliner Bentayga commissioned for Yuki&Toshiは、すでにオドメーターは約25万kmを刻むが、Nontroubleで新車の如く、現在も岐阜の自宅と軽井沢往復に活躍。また2024年Last Bespoke Mulliner Bentayga Commissioned for Yuki & Toshi,Speedは今年4月に来たばかり。そしてもう1台はBentleyJapanのサポートカー、V8 Bentaygaである。

大里研究所の林幸泰理事長はアート全般に造詣が深い。

さてClassicCarの音色の如く1940年製Steinway pianoで、2018年にポーランドで初開催されたショパン国際ピリオド楽器コンクールで見事2位に輝いた川口成彦がショパンを演奏。また、この日のためにNew Yorkから世界的ソプラノ歌手である田村麻子が駆けつけて2曲を熱唱。アンコールでも川口の伴奏で素晴らしい歌声をプレゼントしてくれた。

軽井沢マナーハウスにある1940年製Steinway pianoは細部に彫刻のようなデザインが成されている。川口成彦はショパンを演奏。名音楽家によるサロンコンサートは最高の心の贅沢である。

田村麻子は三大テノールコンサートでドミンゴ、パヴァロッティ、カレーラスと共演の経歴を持ち、その歌声は実に素晴らしかった。

世界的ソプラノ歌手である田村麻子は故ルチアーノ・パヴァロッティ、ホセ・カレーラスらとの共演でも有名である。

軽井沢の午後のひととき、ピアノの音色と歌声を堪能した今回のゲストは、芸術、文化、音楽、車と各方面のリーダーである下記の方々である。


鈴木正文(左上):数々の車雑誌の編集長を務め日本で初めて車とファション文化を確立
村上 政(右上):ENGINE編集長
堀江史朗(左下):Octane Japan編集長
広川美愛(右下):軽井沢新聞 編集長
近藤 薫:東京フィルハーモニー交響楽団コンサートマスター

サロンコンサートのあとは音楽の余韻を楽しみながらのAfternoon Tea Party。地元のレストランThe Barnシェフ岡田がORI Villaのステンドグラスをバックに食事を準備。 English Teaと絶賛のヴィーガンフードと共にゲストの専門分野の話のみならず、文化、車、AIなどの議論がエンドレスに続いた。

マナーハウスでのアフタヌーンティではヴィーガンフードも。
陽も落ち、すべてのゲストを乗せ、3台のBentaygaがコンボイでホテルインディゴ軽井沢に向かった。支配人のエスコートの後全員がレストランの席につき、本日の最後のイベントORI Wine tasting and dinnerの始まりである。

大里研究所が病気予防のため、またシニアの生きがいのために始めたORI Wine Project。ブドウ栽培を始めた当初、UC Davisのワイン専門家からは、高温多湿の日本でビオによりピノ・ノワールやシャルドネの栽培は不可能と指摘された。あれから12年。今では無添加で自然発酵の赤、白、ロゼのビオワインが出来上がったのである。



Hotel Indigo Karuizawaソムリエである安藤修の采配により、それぞれのワインにあう料理が準備され、Bentaygaと共にExtraordinary Karuizawaの幕を閉じた。

ホテルインディゴ軽井沢のダイニングでORIワインとディナーを楽しむ。ソムリエ安藤修の采配で料理が準備された。

ファッション、車、芸術、そしてワインにも造詣が深い鈴木正文氏からORI BIO Wineについて以下のような感想をいただいた。「ORIワインは西洋的な官能と歓喜を高らかに歌い上げているわけではない。オーケストラやカルテット演奏のように多重性と多層性の調和に向かうのでなく、それをあえて禁欲したソロプレイのようにそれ自身として立ち上げる、ある種の屹然とした態度を思わせる。猥雑な日常の生活のうちに覆い隠された遠い記憶。その彼方に追いやられながら実はじっと潜んでいた静謐で清浄な境地のごときものを呼び戻す。ORI ワインの魅力はその単純性という感覚を気付かせてくれる、これまでになかった種類のワインである。ZEN(禅)の如くシンプルで、しかも一層豊かでもある」





軽井沢でのサロンコンサートに参加するにあたり、大里研究所の林理事長からとてもユニークなお誘いをいただいた。ご自身が乗られているBentaygaを岐阜県揖斐郡の大里研究所より、今回の会場である軽井沢まで自走してみないか、と。約25万km(正確には246,565km)を走破したBentayga。まだ世界でBentaygaビスポークが展開されていない当時に特別注文された初めてのマリナー仕様である。走行距離については、間違いなく世界で最も長い距離を走ったBentaygaに違いない。

コンサート前日に新幹線で岐阜羽島に降り立つ。所員の案内で研究所に直行し、そのまま軽井沢に出発した。山県ICから東海環状自動車道を走り、中央自動車道岡谷 ICを経て一路軽井沢を目指す。総走行距離は 287km、そのうち高速走行が192kmであった。まず驚いたことは、乗り心地や走行フィールにダメージがまったく感じられないこと。シフトショックは無いし、ボディからのキシミ音も皆無。普段以上に丁寧な運転を励行したが、全行程での総燃費 9.4km/Lは出来過ぎである。各種オイル交換などメンテナンスが行き届いていることは確かであるが、それにしても状態が良い。

今のBentleyには「普段使いができるラグジュアリィ」という考えがある。よくできた車なので大事に仕舞い込んでおきたいオーナーの気持ちもわかるが、この Bentaygaに乗っていると、走りの良さを楽しまないのは逆にもったいない気がしてならない。岐阜のORI Heritage Centerの 1909年製 Erardというピアノも、軽井沢 ORI Villaの1940年製Steinwayも、長く大事にされてきたからこそ奏でられる音がある。いつも理事長自ら洗車をされると聞いたことがある。自然と対峙する英国人気質のようなものを、この Bentaygaからも感じられた。




文:大里研究所、オクタン日本版編集部 写真:Osato Research Institute
Words:Osato Research Institute, Octane Japan Photography:Osato Research Institute

大里研究所、オクタン日本版編集部

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事