活気と浪漫あふれる「ヴィンテージ・リヴァイバル」|スリーホイラーの勇姿をご覧あれ!

Tomonari SAKURAI

オートドローム・リナス-モンレリ(以下モンレリ・サーキット)は今年で100年を迎える。それに相応しいイベントのひとつが、2年毎に行われ今回で7回目を迎えた「ヴィンテージ・リヴァイバル」だ。なぜならこのイベントは戦前の車がメインのイベントだから。ちょうどこのモンレリ・サーキットが誕生した時代の車たちが、ここに集まる。中には当時、モンレリ・サーキットで記録を打ち立てた実際の車両が、再びこのサーキットを走り抜けるという浪漫あふれるイベントなのだ。

もちろん主催者はフランスのチームによるものだが、始まってみるとフランス国内以上に周辺諸国からの参加が半数以上占めている。そのため、場内アナウンスもフランス語と英語の両方で行われる。モンレリ・サーキットのイベントでも最もインターナショナルなものだろう。参加車両もそれだけ多く、朝から周辺道路は大渋滞。高速道路から出てすぐとはいえ、高速道路まで渋滞は延びている。そして、渋滞にはまっている車のナンバーは英国、ベルギー、オランダ等など。「プレスの登録も多いため、1日にピットに入れる人数を制限している」という注意書きがメールが届いていた。ところが行ってみるとメディア・センターはガラガラ。僕が一番乗りのようだ。どうやらプレスも渋滞にはまっていたようで、バイクですり抜けてきた(フランスでは合法)僕がプレス一番乗りというわけだ。

ヤングタイマーの時と同じ構図だけど、やっぱりくるはこっちの方が似合う。モンレリサーキット100周年ポスターの前で。

会場を歩いているとドイツ語も聞こえてくる。ドイツからの参加車もいる。中にはアウディ・トラディション(アウディの歴史管理事業部)までも参加している。復刻させたアウトウニオン・タイプD等を展示。その中でもヴァンダラー Streamline 1938とヴァンダラー W22 Racing 1937はこの歴史的なサーキットを走行した。そういえば昨年のヨーロッパ遺産のイベントでも展示に参加していた。こういったイベントに参加するアウディの力の入れようがうかがえる。

アウディのブース。ヴァンダラー Streamline 1938。

ヴァンダラー W22 Racing 1937。

ミュールーズでは、多くのめずらしいブガッティを見てきたが、ここではその数では負けていない、といえるほど見渡す限りブガッティ。視界にブガッティが入らないときはない、というほど集まっている。同じ日にモナコ・クラシックが開催されている。たしかにそこにもブガッティはいたが、数では負けていない。なにより、そのほとんどがフランスをはじめ周辺各国から、このサーキットを走るために来ているのだ。

レトロモービルで展示されていたスピード記録に挑戦したルノーの飛行機や車両もブースに展示されている。ここで記録を出したルノー Nervasport Record 1934、ルノー 40CV Record 1926が再び走ったのだ。そして、シトロエンのPetite rosalie des records recreation 1500cc 1933も来ている。パーツや車両もこの場で販売されている。これまた、なかなかの雰囲気だ。2週間前のヤングタイマーとはまったく違う雰囲気に包まれたモンレリサーキット。デジカメのメモリーカード一杯まで撮影するほど見所満載。

会場には飛行機が。コードロン・ルノー・ラファールC.460のレプリカの展示。

記録に挑んだRenault Nervasport des Recordsは当時の資料から復刻したものだ。

そのエンジンルーム。

夜間も駆け抜けるためにライトも装備されている。

こちらはルノー40CVのエンジンルーム。走行前の点検中なのだ。

そして、燃料が注がれる。

ということで、3回に分けてお伝えすることにする。まず最初は全体の雰囲気と、3輪車をピックアップ。スリーホイーラーは人気が高いがこれほど集まってサーキットを走る姿はなかなかお目にかかれない。そして、今回はパリ・オリンピック目前ということで「100周年オリンピック・カップ」と題して19世紀のエンジン付き3輪車のレースも行われた。そんなわけで3輪車を次のページからじっくり写真で楽しんでいただきたい。

櫻井朋成

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