スーパーカー、ハイパーカーがオークションに続々登場!「銀ピカ・ブガッティ」の落札価格は?

Tomonari SAKURAI

レトロモービルでパリが車一色に染まる1月最終週。もう一つのオークションは今回で11年目を迎えるRM Sotherby’s Auctionだ。会場はヴァンドーム広場近く、ルーブル美術館内のイベントスペースであるサル・デュ・カルーセルで行われた。ルーブル美術館の入口に到着すると今回もっとも高値が付くであろうと注目されていたフェラーリ250GT SWBのポスターが会場への案内板代わりに置かれていた。

ルーブル美術館の地下にあるカルーセル ド ルーヴル入り口に看板が出されていた。

地下の通路を抜けて行くと、会場の前では今度はポルシェ962Cのポスターが出迎えてくれた。過去と現在のスーパーカー、そしてモータースポーツというのがテーマだ。中に入れば今度は実物のフェラーリ250GTが出迎えてくれる。会場を見回すと先ほどのボナムスとは違って、オークショニアがスーパーカーをこれでもか、と集めた感じだ。

チュルリー公園に繋がる通路には彫刻が並ぶ。その脇にはポルシェ962Cのポスターという組み合わせ。

その中で輝いていたのはブガッティシロン“La Mer Argentée”だ。鏡面仕上げなので本当に輝いて見えるわけだ。「ラ メール アルジェンテ」は銀色の海と言う意味だ。500台製造されたシロン。その中でもごく初期に製造されたモデルで、納車後もオーナーがブガッティにオプションをオーダーし、「ブガッティ純正のアートピース」となったという個体だ。ご存じの通りブガッティのボディはカーボンファイバーなのでシルバーのメッキをかけたり、磨き上げることで鏡面仕上げにすることはできず、ラッピングという技法でこの仕上げを行っている。ブガッティのロゴではなくEBのロゴの入ったフロントグリルは3台しか製造されていない。磨き込まれたホイール「コース」は4本でおよそ2000万円。内装にもこだわって4~500万ほどのカスタムを施している。ワンオーナー車で走行距離は5000kmに満たない。そして注目の落札価格は4億7000万円を超えた。

磨き込まれた”コース”のオプションホイールほか、ブガッティ社で納車後にも数々のカスタマイズを施された2017年ブガッティ シロン。

入口のポスターの962Cを見て、Cカーもずらりと並んでいるかと思えばこの一台のみだった。1991年のル・マンで総合10位で、その時はレプソルカラーだったのが、その後のニュルブルクリンク430kmレースでFATインターナショナルカラーになったもの。数々のレースに参加したモデルだ。落札価格は約2億円。

唯一のCカー。1994年にヨーストによって整備されている。

ル・マンではウォルター ブルンがドライブし予選を6位で通過したが91年の新レギュレーションでトップ10位は3.5リッター自然吸気エンジンのみということで14番手からスタート。最終的には10位でフィニッシュしている。

そんなスーパースポーツカー達に囲まれてホッとする一台が1958年製 フィアット 500 スピアジーナ・ボアノ。これをオーダーしたのは当時のフィアット社のCEOだった実業家のジャンニ・アニェッリ。その後数名の著名人の手に渡り静かにガレージにしまわれたままの状態で発見された。なのでレストアもされていない当時のオリジナルのままの状態。当時ビーチカーのトレンドを築いた一台のお値段は約6000万円となった。

ビーチカーの先駆けとなった1958年製Fiat 500スピアジーナ ボアノ。

フィアットトップが最初のオーナー。当時からのオリジナルコンディション。

注目されるフェラーリ250GT SWB ベルリネッタ コンペティツィオーネは1960年のセブリング12時間でクラス5位の戦歴を持つ。20以上のレースに参加し14の表彰台を飾っている。ティポ168Bエンジンを搭載した生粋のスポーツカーであり希少車だ。コンクールレベルにまでレストアされている。その落札価格はおよそ16億2000万円。その横に鎮座していた1966年製 Ferrari 275 GTB/6C Alloyはウェーバーを6基搭載したロングノーズモデル。こちらは5億1200万円で落札。



octane.jpでも紹介した2007年製マセラティMC12。落札価格は約4億8000万円。

2021年製ケーニグセグ・レゲーラ。80台生産されたうちの1台。落札価格は約3億8600万円。

今回唯一の2輪。ビモータTesi H2の限定カーボンモデル。2022年のモデルだ。落札価格は約511万円と当時の販売価格に届かずお買い得価格だったかも。

…ということで、ふたつのオークションレポートに続いていよいよ次回はレトロモービルからお伝えします。

写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

櫻井朋成

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