< 新たな価値観が開く新時代 >なぜ?5000万円を超えたG-SHOCK

PHILLIPS



Patek Philippe / Ref.2455
The Geneva Watch Auction Lot.169
予想落札価格: CHF 10,000 - 20,000 
落札価格:  CHF 279,400(約46,101,000円)
このモデルも、「とんでもない値が付く」最近の傾向を反映した一本。1952年製・34mm径・時代遅れのブレス付。エスティメートのCHF 10,000~20,000(約165~330万円)に対して、最終価格はCHF 279,400(約4600万円)という、予想の10倍以上の落札価格を記録した。理由のひとつは、カルティエとのダブルネームであること。10年くらい前のオークションであれば、パテックフィリップの腕時計にジュエラーの銘が入ることは逆にマイナス評価された時期もあったくらいだが、一昨年のティファニーとのダブルネームのノーチラスの爆騰の影響で評価が一変。ブレスもバックルもカルティエ製のこのモデルに新たな価値が見いだされた結果と思われる。若い愛好家にとって、50~60年代の古いデザインはかえって新鮮に映り、高額落札につながるケースは増えている。



Breguet / Ref.3237
The Geneva Watch Auction Lot.30
予想落札価格: CHF 10,000-20,000 
落札価格: CHF 146,050(約2,409,250円)
若い愛好家たちの「相場よりも独自の審美眼を重視する」という点においては、このブレゲの結果も非常に象徴的だ。95年製・36mm径。エスティメートはCHF 10,000~20,000(約165~330万円)という、数年前であれば注目もされなかったはずの時計だが、ダイヤルのアワー&ミニッツ・レールがラピスラズリ製という点が珍しい。ラピスラズリ以外にも、比較的製造本数の少ないセミヴィンテージやセミクラッシックへの注目も高まっていて、そういう独自の審美眼や希少価値に魅力を見出した数名の競り合いの結果、このブレゲの落札価格はCHF 146,050(約2400万円)にもなった。実は先ほどのパテックフィリップ/カルティエも、そしてこのブレゲも日本からの出品で、非常に保存状態が良かったことも高額の理由のひとつとされている。日本発の中古品は丁寧に使われていて良質というのは世界共通の評価で、高額入札されやすい傾向がある。



Rolex / Ref.6062
The Geneva Watch Auction Lot.12
予想落札価格: CHF 1,000,000 - 2,000,000 
落札価格: CHF 2,117,000(約349,305,000円)
ここまで、オークションおよびセカンド・マーケットの"新しい価値観"について触れてきたが、では旧来の王者であったロレックスなどがどんどん価値を失っているのかというと、これまたそうではない。その代表例が、1950年から3年間だけ生産されたRef.6062だ。36mmのオイスターケースに入ったトリプルカレンダー ムーンフェイズ。今回のエスティメートでもCHF 1,000,000 - 2,000,000(1億6千500万円~3億3千万円)という、まさにキング・オブ・ヴィンテージ・ロレックスとでもいうべき存在。だがこの貴重なピースが、この秋の各地のオークションになんと合計5本も出品され、一部では需要と供給のバランスから値崩れするのではとの声もあったが、フィリップスの結果はエスティメート超えのCHF 2,117,000(約3億5千万円)という圧巻の落札であった。


F.P.Journe/Chronomètre à Resonance Black Label
The Geneva Watch Auction Lot.42
予想落札価格: CHF 150,000 - 300,000 
落札価格: CHF 444,500(約73,342,500円)
ここまでピックアップで紹介してきた時計には面白い共通点がある。「前世紀に作られた古いモデル」であること、メンズ腕時計の基準のように言われてきた「40mm径よりも小さい小径モデル」であることの2点だ。ここ数年の時計ブームを牽引してきたいわゆるラグスポ モデルとは、それらは真逆の特徴であり、愛好家の嗜好傾向が変わってきたことをうかがわせるものだ。また、それ以外の最近の傾向としては、「複雑機構重視の傾向」と、「独立系時計師作品の重視」という傾向もある。最後にそのふたつの傾向を同時に満たすモデルとして、FPジュルヌのレゾナンスを挙げておく。販売当時の価格を超えるCHF 150,000 - 300,000(約2470万~約5000万円)のエスティメートに対して、CHF 444,500(約7300万円)という揺るぎのない結果を得ている。


文:北村 泰(WATCH MEDIA ONLINE編集人) 



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文:北村 泰(WATCH MEDIA ONLINE編集人) 

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