ロックスターのギター付き !? 特別なフォードGTが手に入るチャンス!

RM Sotheby's

フォードモーターカンパニーは、2003年にフォードの創立100周年を記念してフォード GTを製作した。2002年の北米国際自動車ショーで発表されたGT40コンセプトは、ル・マンを制した伝説的なGT40に敬意を表したもので世界中のファンから熱い支持を集めた。

コンセプトの軸となったGT40の名に相応しく、フォードGTは"スーパーカー"として作りあげられている。ミドエンジン、オールアルミ製の5.4リッター V型8気筒にライスホルム社製の2軸スーパーチャージャーを搭載し、最高出力550ps、最大トルク500psのパワーを発揮する。最高速度205mph、0-60加速3.3秒は、ポルシェ・カレラGTやメルセデス・マクラーレンSLRなど、当時のスーパーカーに匹敵するものだった。2004年から2006年にかけて4,000台強が生産され、2005年モデルとしては2,022台が世界中のエンスージアストのもとへ送り出されている。中でも最初に完成した3台は、フォードのモータースポーツ界を代表する3人の生ける伝説とともに100周年のステージに立っている。F1世界選手権で3度の優勝を誇るジャッキー・スチュワートが、ジョン・コレッティを助手席に乗せて1号車を走らせ、1967年のル・マン24時間レースで優勝したダン・ガーニー(A.J.フォイトと共同)と、フォードの最高執行責任者であるニック・シールが2号車を走らせ、最後の1台はフォードのアドバンス・プロダクト・クリエーション担当副社長 クリス・セオドアと、キャロル・シェルビーがドライブさせた。想像するだけでも心躍る一幕だ。



2017年からは2代目フォードGTが生産されており、2022年は生産最終年を迎える。それを記念し先日には特別仕様車「フォードGT アラン・マン ヘリテージ・エディション」も発表されている。今となっては、生産と需要が比例しておらず初代も2代目もプレミア価格(2代目は転売制限あり)が付けられている。

そして、この赤い初代フォードGTは来週アメリカで開催されるオークションに出品予定の一台。フォードGTと同じくアメリカンアイコン的存在であるミュージシャンのキッド・ロックが新車から所有していたものである。キッド・ロックは、リンカーンコンチネンタルやダッヂチャージャーなどアメリカ車を中心としたコレクションを有していることでも知られるエンスージアストだ。そのコレクションの中でもひと際目立つ車が、このマークIVレッドのGTだった。フルストライプを施した初期生産モデルで、ペイントされたレーシングストライプ、鍛造アルミのBBSホイール、レッドペイントのブレーキキャリパー、そしてマッキントッシュのステレオシステム&サブウーファーという4つのメーカーオプションをすべて装備しているのも魅力的である。



キッド・ロックがこのフォードGTを新車で購入してから走行距離は3,096マイルと短いながらも、長年にわたって入念なメンテナンスが施されてきているとのこと。この車と彼の特別なつながりを示すように、フォードGTのデザイナー カミロ・パルドのサイン入りで、"To my buddy Kid Rock 'One for the road'"と刻まれたフォードGTポスターが付属する。さらに、ポーチに入った説明書やエアコンプレッサー、そしてキッド・ロックのサイン入りギターも付いてくるそうで、他のGTよりも豪華な内容になっている。フォードGTファンというよりは、熱狂的なキッド・ロックファンが手にする可能性も無きにしも非ずである。



レトロ感あふれるデザインと圧倒的なパワーで、発売以来、高い人気を誇るフォードGT。中でもこの1台は低走行距離、優れたコンディション、そして唯一無二の所有歴を誇る、見逃すことのできない存在といえよう。推定落札金額は未公表。結果が楽しみだ。

オクタン日本版編集部

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