F1 70周年GPを巧みな戦略と実力でホンダエンジンが制す

ⒸGetty Images / Red Bull Content Pool

F1の第1回大会が開催されたのは1950年5月のこと。初開催の舞台となったのはイギリスのシルバーストン、初のウィナーとなったのはアルファロメオ・ティーポ158を駆るジュゼッペ・ファリーナであった。それから70年。F1公式SNSでステアリングの進化を写真で表していたが、当日と現代では隔世の感がある。また同SNSでは70年間のドライバーエントリー数や勝率などもわかりやすく示されており、70年間のドラマに思いを馳せるのもワクワクするものだ。

F1公式Facebookより

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そしてF1の記念すべき70周年というメモリアル・イヤーである2020年に、第1回大会の舞台となったシルバーストンでのレースが「F1 70周年記念GP」として開催された。

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COVID-19の影響により変則的な日程となっている今年のF1は、シルバーストンでのレースは2週連続の開催となり、7月31日~8月2日のレースが「イギリスGP」、8月7日~9日のレースが「F1 70周年記念GP」となっている。イギリスGPでは終盤でタイヤが次々とパンクするという事態が起きたこともあり、一週間後の70周年記念GPではタイヤマネジメントがカギになると予想されていた。

その予想にたがわず、70周年記念GPではアストンマーティン・レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが見事な戦略で今季初優勝を遂げた。決勝スタート時、トップ10の中では唯一ハードタイヤを装着したフェルスタッペンは、ハードタイヤで長く走れる利点を生かし、ミディアムタイヤでスタートしたメルセデスの2台とは異なるタイヤ戦略を取る。ピットストップのタイミングも奏功し、4番手からスタートしたフェルスタッペンは、最終的には11秒以上のリードをつけて優勝した。

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金曜日のフリー走行時からの緻密な戦略に加え、レース中にはフェルスタッペンのドライビングを信じて本人の判断に任せる部分は任せるという、チームとドライバーとの信頼関係で勝ち取った優勝である。

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Mercedes-AMG Petronas Formula One Team / 2020 70th Anniversary Grand Prix, Sunday - Steve Etherington

田辺豊治Honda F1テクニカルディレクターはこうコメントする。「F1の70周年記念大会という特別なレース、そしてAston Martin Red Bull RacingのファクトリーとHonda F1の拠点があるイギリスでのレースで、フェルスタッペン選手が2020シーズンの初勝利を獲得しました」
「8月5日はHondaの創始者本田宗一郎さんの命日、その週末にHonda F1の勝利を上げることができたことは感慨深く、また大変うれしく思っています」

「シーズン初勝利をあげるまで少し時間がかかってしまいましたが、ようやくファンのみなさんに勝利を届けることができ、うれしく思っています」

今年は鈴鹿サーキットでは開催されないことが発表されているため、地元での雄姿を見ることができないのが非常に残念だが、ホンダエンジンの躍進にこれからも期待したい。
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オクタン日本版編集部

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