5日間フランスを走り続ける「プリンセス」!ゴールの後はパーティへ

Photography:Tomonari SAKURAI

パリから南フランスまで1700kmを縦断するラリー・デ・プランセス。いよいよ最終日だ。この日は昨日のゴール地点のワイン蔵をスタートし、南フランスのゴツゴツとした峠を走り、サントロペの港のある中心街へ戻ってくる、およそ180kmほどのコース。最後は軽くながして南フランスを満喫するちょっとしたドライブ。と気を抜くと痛い目に遭う。気を抜かずしっかり走ろう。
 
スタートして市街地を抜けて田舎道になり、峠にさしかかる頃最初のタイムアタックとなる。最終日で、みんなもうお祭り気分で明るい雰囲気でスタートしていく。それを追って移動すると、”スピード落とせ”のジェスチャーをして注意を促してくるハイキングを楽しむ人たち。レース場のイエローフラッグのように注意して進めていくと渋滞になっている。完全に停止している。イヤな予感がしながら車を降りてその先頭に行くと一般車両との事故だ。”普段は車なんか走ってないから”と地元ドライバーが車線を無視して走ってきてフィアット124と接触。


イヤな予感のする渋滞。

フランスの場合、人身でない限り、当事者同士がお互いの保険会社の用紙に事故の詳細を書き込んで処理は終わる。地元の車の運転手はプリンセスに囲まれてタジタジになり、やや気の毒にも見えてしまう。”パパ”パトリックが駆けつけバールなどでへこんだボディをこじ開けて、何とかタイヤが回転できるようにすると車を押して十分な道幅を確保すると、プリンセス達はおのおのの車に戻りラリー続行。


ランチのChateau de Saint-Martin。

FIATのプリンセスは細い峠道という事もありそれほどスピードが出ていなかったことで、ドライバーは事故の瞬間に身構えたこともあり無傷。レッキ帳に集中していたナビがショックもあり病院に連れて行かれたが結局無傷だった。不幸中の幸いだ。競技中だ。事故はつきもの。ただそれだけのこと。さすが車文化のフランスだ。プリンセス達はしっかりリスクも承知の上参加しているのだ。
 
コートダジュールの中世からの村を通り、ランチはChateau de Saint-Martin。さっきの事故で二人とも無事の知らせを受けて皆安心して最後のランチを楽しんだ。それぞれの想いを乗せて主催者ヴィヴィアンヌのチェッカーフラッグの待つゴール地点へ。毎日見てきたゴールだが今日の本当のゴールで彼女たちの達成感は計り知れない。ペアによってはもう何度も経験しているものだが、このゴールを味わうためにまた走る。ゴールで振る舞われるシャンパンはやはり格別なものだろう。


356は2台連ねての到着だ。
 
その後ワイン蔵にて表彰式と閉会式、そして最後の晩餐が行われた。0時を過ぎてもまだデザートまでたどり着かない。外ではプリンセス達のために花火が上げられる。1700kmを走りきって疲れ果てているだろうと思っていたがプリンセス達はタフだ。夜通しパーティはつづくのだった。 


おばあちゃんと、お孫さんのペア。最年長、最年少プリンセスでもあったのだ。しばらく後ろをこのルーフ・ポルシェを走ったがその腕前はかなりのものだった。

本来ならちょうど今頃同じようにプリンセス達は再びフランスを駆け巡っているはずだった。世界を襲った災いによってこの年のラリーデプランセスは中止となり翌年まで持ち越しとなった。来年は2年分のパワーを発散させてよりエキサイトなラリーとなるだろう。撮影していた僕らに「どこから来たの?」というので、“日本だ”というと「じゃあ来年は日本からの参加者が増えるわね!」いわれた。


車だけがヴィンテージ好みではない。手にするカメラはフィルムカメラ!ブドウ畑と夕日をバックに。プリンセスのお二人。

今からならまだ遅くない!是非来年のラリーに向けて日本の女性ドライバーのみなさん。フランスでプリンセスになりませんか?

写真&文:櫻井朋成 Photography&words: Tomonari SAKURAI

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