2015年に公開されたバイヨン・コレクション── 廃墟のような古城で長い眠りについていた車たち。その中で、ひときわ輝いていたのがマセラティA6G 2000だ。現オーナーの協力を得て、路上に引っ張り出してみた。
バイヨン・コレクションをご存知だろうか。フランスの古城で廃棄同然の姿で眠っていた100台以上もの車のことをこう呼ぶ。車はロジェ・バイヨンという男が半世紀ほど前に買い集めたもので、以来、人目に触れることなく時は推移、2014年になって公にされた。
"救出された"車たちは2015年のレトロモビルに出品、パリのオークションハウス、アールキュリエルの手でその場で競売に付されたというニュースは世界を駆け巡った。あれから2年、私は、フランスの田舎を離れてカリフォルニアに渡った車に出会うことができた。それがここにご紹介する、フルアのボディを架装したマセラティA6G 2000グランスポール・ベルリネッタである。件のオークションで、前述のフェラーリに続く2番目の高値、額にして200万ユーロ(現在のレートで約2億3400万円)で落札された車だ。見事落札したのは今、この車のステアリングを握り、風光明媚なカリフォルニアのカーメルを飛ばしているジョナサン・シーゲルである。
最初はもちろんフルレストアするつもりでいた。しかしさまざまな事情から断念。それでもジョナサンはマセラティをなんとか走れる状態にまで仕立てたのだが、外装や内装などの補修までは手が回らなかった。しかし結果としてそれがよかった。納屋から発掘されたときのままの姿態は、見る者の奥深くに眠る琴線を呼び覚まし、心を揺さぶる。
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