25歳日本人が最優秀賞を受賞│A.ランゲ&ゾーネ主催、次世代の時計師へ送るアワード

A.ランゲ&ゾーネが2010年より主催している「ウォルター・ランゲ・ウォッチメイキング・エクセレンス・ アワード」。本年も優れた作品たちで競い合われた。このコンテストは、優れた時計師の育成を目的としており、世界各国の時計師養成学校の生徒のうち、優れた数名のみエントリーすることが許される。エントリーが決まった時計師学校の生徒は、A.ランゲ&ゾーネ社の工房で時計制作の現場体験を行う。その後、与えられた課題・テーマをお題に作品を制作するという流れだ。そして今回、第10回ウォルター・ランゲ・ウォッチメイキング・エクセレンス・ アワードに輝いたのは、東京にあるヒコ・みづのジュエリーカレッジに在籍する篠原那由他氏。総勢7人の世界各国のライバルたちを抑え、栄冠を手にした。



最優秀賞に輝いた篠原那由他氏

今回テーマに設定されたのは「自由に選べるレトログラード式表示の設計と制作」。その問いに篠原氏は自身の「スロームービング・レトロ グラード」と名付た作品で勝負した。そのムーブメントは、ダイヤル側に時と分をそれぞれ独立させたレトログラード式表示、裏側にはスモールセコンドを搭載している。


 
篠原氏の作品。二つのレトログラード式表示を搭載するムーブメント

また、提供されたユニタス製キャリバー6498-1 を根本的に改良。遠心調速機を利用して針を戻すよう、2つの輪列を組み込んだのだという。これにより、メイン表示が最後の目盛りに達した時、ゆるやかな動きで始点に戻る動きが可能となった。更に中身が完全に機能するだけでなく、美しい装飾を施したことにも注目された。技術・デザイン共に申し分ないクォリティーで審査員をうならせたのだ。

審査員(敬称略、右から)アントニー・デ・ハス氏、ギスベルト・ブーンナー氏、ペーター・ブラウン氏、ペーター・プラースマイヤー氏、A.ランゲ&ゾーネ PR ディレクターのアーンド・アインホーン氏

受賞した本人は現在25歳。これから時計業界の若手牽引者として、日本そして世界の時計業界をリードしていくことだろう。

オクタン日本版編集部

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