フェラーリといえば「跳ね馬」のエンブレムが思い浮かぶ。
そこには興味深い歴史が秘められている。
1918年6月、イタリア空軍のエースパイロットであったフランチェスコ・バラッカ伯爵は、オーストリア軍に対する機銃掃射作戦のさなか、イタリア北部トレヴィーゾ県のモンテッロ丘陵に墜落し、死亡した。バラッカが操縦していた複葉機の機体には、自身とその飛行隊のシンボルであるカバリーノ・ランパンテ(イタリア語で「跳ね馬」の意)が描かれていた。
それからおよそ100年となる現在、バラッカの紋章は、世界で最も知名度の高いロゴとなっている。そこまでに押し上げた人物こそ、同じイタリアの偉大なるスピードの商人、エンツォ・フェラーリだ。
バラッカの跳ね馬がエンツォに贈られたのは、1923年6月のことだ。ラヴェンナのサヴィオ・サーキットで観客を湧かせる見事な走りで優勝したエンツォは、バラッカの父親であるエンリコ伯爵の祝福を受け、パオリーナ・ビアンコリ伯爵夫人を紹介された。その後、伯爵夫人から、息子の跳ね馬を車に付ければ「幸運を運んでくれるでしょう」という提案を受けたとエンツォは回想している。
©TONY WILSON-BLIGH/Alamy Stock Photo
エンツォが譲り受けてから、跳ね馬にはいくつかの"改良"が施された。バラッカの跳ね馬は両脚を地面に付け、尾は太く、下を向いている。一方、フェラーリ版では片足立ちで"跳ね"ており、尾は細く、上を向いている。それ以降も、フェラーリの跳ね馬は何度となく手を加えられたが、2002年の"修正" にはほとんどの人が気づかないだろう。よく見ると、性転換手術を受けて雄馬から雌馬に変わっているのだ。
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