モータースポーツと同化した奇跡の時計
自動車と時計は、計時という形で深い関係を築いてきた。どちらも機械の集合体であり、高級な嗜好品という点も似ている。つまり"自動車好きは時計好き"であり、自動車のフォルムや計器、あるいはモータースポーツのスピード感などを、デザインソースにする時計は多い。さらにカーボンやマグネシウムなどの自動車素材を取り入れる動きも盛んだ。しかしモータースポーツを愛するがあまり、エンジンと時計を同化させてしまった時計ブランドがある。それが2006年にミラノで創業した新興時計ブランド「メカニケ・ヴェローチ」だ。
彼らが2006年に発表したブランド創成期の旗艦シリーズは、イタリア語で4バルブを意味する「クアトロヴァルヴォレ」。そのケース形状はエンジンのシリンダーヘッドを模しており、小さな4つの時計で4か所の時刻を同時表示するという独創的なものだった。
クアトロヴァルヴォレは、モータースポーツファンの心をしっかりとらえ、世界中で話題となった。現在はバリエーションも拡大しているが、それでもエンジンのシリンダーヘッドの形状をそのままケースに見立てるというスタイルは受け継いでいる。
クアトロヴァルヴォレには、ダイアルに本物のF1マシンのボディの一部を使用したものも存在する。
「コルサコルタ エボ」をはじめとした他のモデルにも、モータースポーツへの憧憬が見えてくる。「コスサコルタ」とは、イタリア語で速く動くという意味からショートストロークエンジンをイメージしており、視認性を重視したシンプルなデザインは、高レスポンスを誇るスポーツカーのイメージである。
さらに「クロノドライバー」にも注目してほしい。このモデルはステアリングを握った状態でも時計を見やすくするために、ブリッジに取り付けた時計本体が傾く仕組みだ。
本社をジュネーヴに移した新生メカニケを象徴するのが「アイコン」だ。4バルブデザインはそのままに、独自開発のムーブメントが1つで4つのダイアルを駆動する。進化し続ける過程から目が離せない。
公式ページ:http://www.bik-group.com/
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原文:篠田哲生 再編集:オクタン日本版編集部
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