世界中のゴルファーを魅了するパターを作り続けてきたブランド、 スコッティ・キャメロン。同ブランドはこれまで多くの作品を生み出してきたが、それらは大きく分けると4つに分類することが出来る。
100のものをオーナーへ
どの分野にも知る人ぞ知るブランドがあるものだが、 数あるクラブメーカーのなかでも「スコッティ・キャメロン」はゴルファーにとって間違いなく憧れのブランドのひとつと言っていいだろう。契約プロへの支給以外、価格なりのパターを量産しているブランドとは全く異なり、「求めてくれるオーナーへ、プロアマ問わず100の仕上がりのパターしか提供しない」という創始者であり製作者でもあるスコッティ・キャメロンの熱くそして誠実な想いが、多くのゴルファーにしっかりと伝わっているからだ。
世界中のゴルファーに愛されるこのブランドは、日本でもその人気は非常に高い。希少なGSSなどの塊(インゴット)からパターを削り出して創り出すスタイルが、昔から金属に触れ加工や精製を行ってきた日本人特有の気質や文化に合致して、より強く共感するからだろう。また、コレクターも存在して、「スコッティ・キャメロン」を所有するということがステータスの一つであるとも言える。
ところが、このように特別な存在になると、その希少性や神話性によりどうしても情報が混在して錯綜する。そして、ブランドヒストリーや逸話、さらには用語の意味や由来などが正しく伝わらず、なかにはスコッティ・キャメロンが存命していないと思っているゴルファーもいるという、嘘のような本当の話があるほどだ。つまり、「スコッティ・キャメロン」 の世界にいるようで、実はきちんと足を踏み入れていない、というゴルファーが多いのも残念ながら事実なのである。
オクタン日本版及びoctane.jpでは「スコッティ・キャメロン」の世界観やその魅力、ゴルフショップや一般的なゴルフ雑誌では得られない情報を、様々な角度から掘り下げていく。
「スコッティ・キャメロン」の正しい分類
一口に「スコッティ・キャメロン」といっても、大きくは①プロダクションモデル(市販品)②リミテッドモデル(マイガール、ホリデーなど)③ツアーパター(サークルT)④スペシャル(ツウィスティー、ガレージなど)の4種類にわけられる。
Production Model 「プロダクションモデル」
いわゆる市販品ながら、驚くべきは個体ごとの精度で、その高さは他社の追随を許さない。
通常、多くのゴルファーがゴルフショップで目にするのは①のプロダクションモデルである。車で例えるとベースグレードにあたるだろうか。もちろん、市販品といってもその精度は高いレベルにあり所有感も高い。
Limited Model 「リミテッドモデル」
プロダクションモデルの限定品ながら、ヘッドだけでなくカバーからグリップまでキャメロン氏のこだわりが盛り沢山。
②のリミテッドモデルは、年に一度発売されるプロダクションモデルのリミテッドシリーズで、車ではいわゆる限定車にあたる。装飾的な部分だけではなく、パーツやグリップ、パターカバーにいたるまで手を加えられており、単純な限定品とはまるで異なるモデルなのだ。
Tour Putter 「ツアーパター」
キャメロン氏がツアープロのために製作したモデル。ツアープロと同モデルを持てる醍醐味を味わえる。
③のツアーパターは、ツアープロ向けにスコッティ・キャメロン氏によって一本一本ハンドメイドで製作される。素材や形状、スタンプなど文字通り憧れのツアープロが使用するパターと同じモデルであり、車に例えるのならば、1台1台マイスターによって組み上げられるレーシングカーといったところかもしれない。もちろん、ツアープロが使用するパターは、プロの要望でスコッティ・キャメロン氏による調整がはいったうえで製作されているが、アマチュアでも世界のトッププロと同じツアーパターを使用できるということは、ゴルファーにとってこのうえない至福の喜びだろう。
Special 「スペシャル」
いわゆる一本モノ。完全オリジナルカスタムや、プロトタイプなどがあり、なかでもツイスティーは有名である。
④のスペシャルは、完全にカスタマイズされたパターで、ユーザーが望むパターをキャメロン氏が製作したものや、キャメロン氏が自分のアイデアを形にしたプロトタイプであり、世の中に同じものはない、いわゆる一本モノ、ワンオフである。スペシャルパターは、コレクターアイテムでもあり、数百万円するものも少なくはない。
「スコッティ・キャメロン」が誕生して30年以上の 歴史の中で、数多くのパターが創出されているが、基本的にはこの4種類で分類されるため、これを理解することこそが「スコッティ・キャメロン」の世界を知る第一歩となるのだ。
文:オクタン日本版編集部
Words:Octane Japan
写真:スコッティ キャメロン ゴルフギャラリーTOKYO
Photo:SCOTTY CAMERON GOLF GALLERY TOKYO
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