驚くべき車が、岐阜県の納屋で発見された。一見するとボロボロのフェラーリ365GTB/4デイトナに見えるが、これは世界でたった1台しか存在しない特別仕様車である。スカリエッティ製アルミボディを架装した、ロードゴーイング・デイトナなのだ。
365GTB/4デイトナは、フェラーリが1968年のパリ自動車ショーで発表したグランツーリスモである。「デイトナ」という愛称は、フェラーリが1967年のデイトナ24時間レース圧倒的勝利を飾ったことに由来する。直線を基調としたシャープなスタイルは、ピニンファリーナの名デザイナー、レオナルド・フィオラバンティによるものだ。
デイトナは1400台以上が生産されたが、その中でアルミボディを架装した車両は6台のみ。そのうち5台はレース用に開発されたコンペティション・バージョンで、残りの1台がこの車、公道走行が可能な、アルミボディのデイトナなのだ。
1969年にボローニャのディーラーを経由して販売されたこの車は、イタリアで数名のオーナーのもとにわたった後、1971年に日本に輸入された。自動車雑誌「カーグラフィック」の1972年1月号にも掲載され、注目を浴びた。その後日本でも数名のオーナーの手に渡り、1980年に岐阜県の車庫で長い眠りについた。
それが近年になって発見され、ふたたびスポットライトを当てられることとなった。
フェラーリの専門家、マルセル・マッシーニによると、ボディ・シャシー・エンジンのナンバーは一致しており、パーツの殆どがオリジナルであるとのこと。
ノックオフ・ハンマーを含む工具セットも保管されている。
この「バーンファインド・デイトナ」は、9月にモデナで開催されるオークションに、発見されたままの状態で出品される予定。エスティメイトは140万ユーロから170万ユーロ。日本円換算で1億8000万円から2億2000万円の価格がつくと予想されている。詳細はRM Sotheby’s公式ページをご確認いただきたい。
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