北へ、南へ、シトロエン2CVと30年|第12回 ちょっとした修理で北へ!



さあ、作業開始だ、と言っても作業するのはもちろんbである。2CVのフェンダーやフロントサイドパネルはナットやボルト数本で外すことができる。ヘッドライトに傷防止の養生をするあたり、bが只者でないことがお分かりいただけるだろう。

ミッションマウントはフロントバルクヘッドの下方にあり手が入りづらい。筆者もライトを持って手伝っている感を精一杯演出する。

 
左が交換前のミッションマウント、右が新品だ。破損などはないものの、新品のゴムの厚みを見ると換えてよかったと思った。

 
エンジンマウントはエンジン最前部に2カ所ある。それなりに疲れている様子が外す前から伝わってくる。エンジン本体をジャッキで支えて、微妙に上げながら外して取り付ける。

 
結構手間のかかる作業だが、正直筆者は少々手持ち無沙汰である。それを悟られないためにドアノブの修理を行うことにした。

ちょっと分かりにくいかもしれないが、左側のベニア版が取り外した2CVのドア内張の裏側だ。内装の内張は一般的に樹脂製のクリップ留めが多く、外す際にとても気を使う。幸い2CVは金属製のものが使われているのと、bが持っていた工具のおかげで無事に外すことができた。ドアノブがグラグラしていたのはボルトが緩んでいただけだったので増し締めして解決だ。作業に熱中して肝心のボルトの写真は撮り忘れました。

ヒーター切り替えが室内のノブからだとうまく動かない件は、bのアドバイスで注油することで様子を見ることにした。まあ、これからの時期はヒーター全開側に固定でも問題はないだろう。



そうこうしているうちにエンジンマウントの交換も終わった。13万キロ走ったにしてはキレイだな、と思ったが、この部品はたぶん一度交換しているはずだとbがいう。いわれてみれば、そんな気もしてきた。修理はいつも人任せだ。はっきり覚えていないのは自分で作業していないからだろう。でも過剰整備ではない、予防整備だと思うことにした。何事も「やらぬ後悔」より「やって反省」がモットーだ。この後、自宅までのドライブでエンジンと駆動系のダイレクト感が増したというか、引き締まったと感じた。たぶんプラシーボではない。



さらにサイドブレーキの引き代調整もちゃっかりお願いしたこともあり、一通り終わった頃にはすっかり日が暮れてしまった。まだ作業があるというbにせめてものお礼で夕飯を奢ることにした。好きなものを頼んで良いよ、と奮発したつもりが会計をしたら2人で2000円だった。ありがたきは友とサイゼリヤ、なのかもしれない。



文・写真:馬弓良輔 Words & Photography: Yoshisuke MAYUMI

馬弓良輔

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