不安定な世界情勢の中でも安定感を保つ!メルセデス・ベンツ・クラシックの価格変動

RM Sotheby's

ジェットコースターのような金融市場は急ブレーキのGフォースを浴びているが、投資グレードのクラシックカーセクターは、不安定な世界情勢の中でも今のところ模範的な安定感を示している。ドラマがないこと自体が最もドラマチックだ。
 
たとえば4月に、HAGI(ヒストリック・オートモビール・グループ・インターナショナル)のメルセデス・ベンツ・クラシック(MBC)指数は0.78%上昇し、フェラーリは少し上回る1.00%の上昇、ポルシェは3.30%の下落だった。こうした短期的変動はありふれたことで、これに先立つ2カ月間も、同様に劇的な変化はなかった。
 
MBC指数は年初来、安定して可もなく不可もない状態で、0.14%の上昇と、ほぼ一定だ。これはたいしたことではないように思えるが、ひるがえってグローバル株式を見ると、同じ期間に13.23%も下落している(S&Pグローバル1200指数)。ここにも有形資産であるクラシックカーセクターの特色が前面に出ている。それゆえ故に、今は感染防止の必要から購入の機会が限られてもいるのだが。


1955 Mercedes-Benz 300SL Gullwing
 
メルセデス・ベンツを際立たせるひとつの特徴として、相対的に変動が小さいことが挙げられる。これはクラシックのラインアップの幅と深さから来るものだ。現在は、その中でも核となる収集価値の高いモデル、特に"ヤングタイマー" が、生産数の多いモデルより健闘している。


1989 Mercedes-Benz 560SEL 6.0 AMG
 
とはいえ全体としては、メルセデス・ベンツの無類の多様性が結果的に控えめなパフォーマンスにつながっている。たとえばMBC指数は成長がピークの時期には後れを取っていたが、より長く成長を続け、他のセグメントが2017年や2018年に頂点に達したのを尻目に、2019年にピークを迎えた。また、2019年9月に209.99の最高値を記録したあとも、MBC指数は2.3%の下落に留まり、他の多くのメーカー指数に遅れて横ばいの時期に入った。混沌とした時代には、こうした安定感が間違いなく心強く感じられる。


詳細:www.historicautogroup.com

HAGI MBC指数は、収集価値のある主要メルセデス・ベンツの価格変動を示したもの。縦軸は2008年12月31日を100とした指数。

オクタン日本版編集部

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