1969年、アポロ11号が静かの基地に着陸し、オルドリンとアームストロングが慎重にその土地へ足を踏み入れ、人間が月を歩いたはじめての瞬間となった。当時、存在していた中で各分野の最高技術が選ばれ遂行されたプロジェクトだ。その瞬間を捉える重要なアイテムであるカメラとして選ばれたのは、ハッセルブラッドであった。
当時から、近い関係性が築かれてきていた、スウェーデンのカメラメーカーとアメリカの宇宙機関が互いの持つ技術を認めていた証拠といえよう。ハッセルブラッドのカメラは宇宙空間の無重力、温度、振動に耐えられるカメラを製造していたのだ。このカメラがあってこそ、現代でも人間が月へ降り立ったという証拠を残すことができている。そして、2019年7月20日には月面着陸を果たしてから50年を迎える。
ハッセルブラッドとNASAの冒険は1962年から始まっていた。その頃、パイロットとして活躍していたウォルター・ウォリー・シラーはハッセルブラッドが持つ技術の高さを評価し自身でも500C所有していた。そして、プロジェクトにハッセルブラッドを使用するべきだと打診したという。
NASAは500Cを数台購入し、レザーカバーやリフレックスミラー、ビューファインダーを外すなどして軽量化を図った。そして、普通では12枚フィルムであるところを70枚まで撮れるようにカスタムしたのだ。カラーはマットブラックに仕上げられた。そのカメラを持ってシラーは水星へと飛び地球の姿を捉えることに成功した。
月面着陸においてはHDCが採用され更なる改良化、カスタムが施された。プロジェクトが終了し、慎重にそのフィルムとレンズ、その他アクセサリー類を回収したが、使えなくなったものや必要でなかったものは宇宙船から投げ捨てられ、今でも12のカメラボディとレンズが月に残っていると言われている。
ハッセルブラッドとNASAのコラボレーションは現在でも続いており、技術開発においてエンジニアたちが協力し合っている。ハッセルブラッドは、人類の歴史に残る記録を果たしてから50年経過を祝う、プロジェクトを用意しているとのこと。
オクタン日本版編集部
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