第28回目のマセラティデイ、開催!今年のテーマは「GT生誕75周年」|マセラティクラシケ承認日本第1号車も登場

Shinichi EKKO

28回目を迎えるマセラティ・クラブ・オブ・ジャパン(以下MCJ)年間最大のイベント、マセラティディが11月26~27日に開催された。毎回、マセラティに関するテーマが設けられるマセラティディだが、今回はA61500の誕生を起点としたマセラティGT生誕75周年がフィーチャーされた。その中でもラストジェネレーションの”グラントゥーリズモ”は13年間にわたりグランカブリオと併せて4万台ほどが生産されるヒット作となった。今回も最初期モデルから、マーケットにおける人気の高いMCストラダーレ他、最終モデルまで多くのモデルが参加した。



そして、サブテーマは生誕50周年を迎えたメラク、カムシン、ブーメラン。どれもシトロエン傘下時代のマセラティを代表するモデルであるが、(さすがにブーメランの参加は叶わないとして!)今回も完調な個体がその素晴らしい走りを見せてくれた。

マセラティディはマセラティジャパンのバックアップを例年受けているが、今年はデリバリー前の最新SUVグレカーレトロフェオやギブリトロフェオの展示も行われた。またトライデントイタリア(マセラティ目黒・紀尾井町・杉並)からの車両提供、全国ショールームからの様々な協賛など、まさに日本のマセラティ・ファミリーのお祭りとなった。

危惧された初日の天候であったが、土曜午後のスタート時には日も射す好天となった。今回の会場は羽田空港に隣接する羽田エアポートガーデン。開業前(来年1月正式開業予定)のホテル、「ヴィラフォンテーヌプレミア/グランド羽田空港」をMCJが占有してしまうという、参加者にとっても大サプライズであった。1000㎡を超える大型バンケットルームにおけるガラディナーには車両も展示してしまったのだから。

ガラディナー会場にはグレカーレを中心に、MC20とクラシケ認証獲得のギブリが並ぶ。

広大な駐車スペースを使ってのイベントはオーナーインタビューや、希少な個体の説明など時間を忘れる。今回はマセラティクラシケ認証を獲得した日本第一号の1968年ギブリの披露も行われた。モデナの著名マセラティワークショップでフレームアップレストレーションを行われた個体はボディやインテリアはもちろん、下廻りまで光り輝いており、走らせるのが勿体ないほど。授与されたこだわりの認証ブックも興味深い。

テーマのメラクカムシンを前にレクチャーをする筆者。

ガラディナーは全国から駆けつけた150名あまりのマセラティスタの熱気に溢れた。MCJのモットーはファミリー参加であるので、次世代を担う“ベビー・マセラティスタ”達の参加もうれしい。



次世代を担うマセラティスタ。撮影ポーズもキマっている。

マセラティアジアパシフィック&ジャパンCEOの木村隆之氏、そしてクアトロポルテ(5代目)やグラントゥーリズモ、バードケージ75th(コンセプトモデル)などのデザインを手がけた奥山清行氏などのスピーチも盛り上がった。MCJ代表である筆者のマセラティアカデミーコーナーでは前述のマセラティGT75周年、メラク、カムシン、ブーメラン50周年に関する”座学”でお勉強だ。

マセラティジャパン代表取締役社長の木村隆之氏。

奥山清行氏も参加。

参加者の投票によるコンクールデレガンスがディナータイムのハイライト。生産時期に応じてヴィンテージ、セミクラシコ、そしてモデルノ(モダン)のカテゴライズの中で決定される。ヴィンテージ部門での受賞は今年のテーマであるカムシン。オーナーはその喜びを表現するため、トライデントを持ったネプチューンとなって現われ、会場を沸かせてくれた。(何のことか??と思われるが、記事中の写真を参照のこと笑)

ベストヴィンテージ受賞のカムシン。

これが噂のネプチューン様だ。

セミクラシコは現オーナーが29年間所有し続けたというロイヤル。これも総生産台数51というレアモデル。モデルノは美しいエクステリアカラーのクアトロポルテⅤ。オーナーはなんと『あぶない刑事』の超マニア。この個体は何と劇中車そのものだと言う。

ベストセミクラシコ受賞のロイヤル。

ベストモデルノ受賞のクアトロポルテⅤ。

さて、グランプリはマセラティクラシケ承認日本第一号車のギブリ。ちなみにオーナーが次世代自動車ファン育成の願いを込めて商品化されたスーパーカー消しゴムのマセラティ版が参加者全員にプレゼントされた。

グランプリ受賞のギブリ。

それ以外にも“最遠来賞”や“ファミリー賞”など多彩な賞典が用意されるのもマセラティディの特徴。ちなみにオクタンジャパン賞はミストラル・オーナーが獲得。大きな盛り上がりを見せるじゃんけん大会と共にガラディナーはお開きとなり、これまたホテルロビーのラウンジも占有して、ランブルスコやパルミジャーノ・レッジャーノなどモデナを深夜まで満喫した。

ファミリー賞受賞の顔ぶれ。

2日目は約1時間の行程における走りを楽しむパレードラン。堺正章氏の楽しいトークで沸いた後はマセラティジャパン賞の発表。受賞したのはテーマのGT75周年にちなんで美しく維持された最初期モデルのグラントゥーリズモであった。



堺正章氏のトークに会場も盛り上がる。

マセラティジャパン賞のグラントゥーリズモ。

トランスウェブ社の協力によりスカニア製のトライデント輝く大型トランスポーターをバックに記念撮影を行い、続いて年代順にパレードランへと飛び出して行く。ゲートブリッジ方面は日曜朝ということもあり車も少なく快適そのもの。MCJではブリッピングしたり、制限速度を無視して走るような車は皆無。この文化は継承されてほしい。





さて、二日間に渡って開催されたマセラティディは名残惜しくも閉会が近づいてきた。来年はクラブ創立30周年、さらに2014年はマセラティ創立110周年を迎える。さらに年末にかけてもfesta di Natale(クリスマスパーティ)他、幾つかのイベントが控えているから、まだまだクラブの楽しみは続く。



文:越湖信一 写真:越湖信一、柳田由人
Words: Shinichi EKKO Photography: Shinichi EKKO, Yoshito YANAGIDA

文・写真:越湖信一

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