コンラン卿がコレクションしていた、ブガッティ・ペダルカー|著名デザイナーの「家の中身」は日本からでも入手可能!

Bonhams

ザ・コンランショップやハビタット・ホームウェアストアの創設者であり、著名なデザイナーだった、故テレンス・コンラン卿。そんな彼が収集した18台のブガッティ・ペダルカーが、12月14日(水)に開催されるボナムスのオークションに出品されている、というプレスリリースが届いた。

Sir Terence Conran (C) Julian Broad

Sir Terence Conran, The Contents of Barton Court(テレンス・コンラン卿、バートンコートの中身)」と銘打ったこのオークションは文字通り、コンラン卿が住んでいた“バートンコート”という家の中身がごっそり出品されている。

ブガッティ・ペダルカーはコンラン卿がフランス人コレクターから譲り受けたもので、ほとんどは1920年代から30年代のもの。フランスの「ユーレカ」社によって製造されたもので、全車がレストアされエクステリアカラーは「ブガッティ・ブルー」を纏っていた。

A replica 'Bugatti Type 52 Bebe' electric child's car, circa 1980

A ‘Bugatti’ tandem pedal car by Eureka, model 28, French, 1928-1932

ブガッティ・ペダルカーはバートンコートの玄関ホールの壁に飾られていたそうで、コンラン卿は“全19台を壁にかけたら美しい蛾を連想させてくれる”と過去のインタビューで答えていた。ボナムスから届いたプレスリリースでは「18台をオークションに出品」と記されていたが、実際の出品リストを眺めてみると16台しか見当たらない。つまり、コンラン卿が所有していた、ブガッティ・ペダルカーのうち3台はどこかへ…

なお、今回のオークション、ブガッティ・ペダルカーだけではなく、自分がデザインしたものだけはなく、様々な家具や小物、絵画やワインなども出品されている。「Conran Barton Court Interview」などのキーワードでインターネット検索してみると、過去に様々な媒体がコンラン卿を取材してきたことがわかる。そこに映っている家具や小物、今回の出品リストで実際にいくつか確認できた。

それにしてもよくこれだけのモノがバートンコートに収まっていたものだ… と同時に、“さすが世界的なデザイナー!”と思わず呟いてしまいそうな、オシャレなデザインなものばかり。

個人的に気になったのは、コンラン卿がタイヤメーカー、ミシュランのかつてのロンドン拠点を買収して運営を始めた「ビバンダム・レストラン」で使われていた“ザ・グレート・セントラルステーション”(出品番号132)と呼ばれる、いわゆるバックバーのカウンターだ。


横幅260cm、横幅65cm、高さ281cmのバックバーをメインに、バーを自宅に設置、もしくはお店をオープンしたくなる。しかもこれ、なんとコンラン卿がデザインしたもの。恐らく、一般販売したものではなく、レストランのために特注されたものだろう。予想落札価格、5000ポンド~10000ポンドとサイズを考えたら、ベラボーに高いわけではない。

コンラン卿が使用していた、バットラーズ・ウォーフ製のデスク(出品番号276)も気になる。テーブル横の表面にはニッケルが奢られ、引き出しがないようで実はある、というトリックアートみたいなギミックも素晴らしい。予想落札価格は1000ポンド~1500ポンド。コンラン卿のデザインでもないし、単なる「中古品」としての価値しか見出されていない様子だ。


ワイン、シャンパン、コニャックなど様々出品されているが、目が飛び出るほど高いものはない。しかも本数をまとめた“バルクセール”が多い。保存状態は未知数ゆえに当たりはずれはあろうが、例えば出品番号340なんて1953年のシャトー・モンロズ、1987年のシャトー・シェヴァルブランなどを含む合計15本で予想落札価格は800~900ポンドとなっている。このセットが目を引いたのは、ボトル内のワイン残量が安定している雰囲気だから、だ。クリスマスパーティや新年会で空けてみれば…、たとえハズれがあっても楽しい時間が過ごせそうだ。

予想落札価格は、あくまで予想落札価格に過ぎないが、今回の出品物は一般庶民でも手が届きそうな雰囲気であることがまるで“クリスマス・プレゼント”のようだ。そして、今回ばかりはオークション開催地であるロンドン住まいの人を心底羨ましく感じてしまう…、輸送費がさほどかからないだろうから。

もっともボナムスではオンライン入札も受け付けているので、日本からの入札も可能だ。私がブガッティ・オーナーだったら、ブガッティ・ペダルカーは迷わず全部購入しようとするだろう。

Bonhams : Sir Terence Conran - The Contents of Barton Court


文:古賀貴司(自動車王国) Words: Takashi KOGA (carkingdom)

文:古賀貴司(自動車王国)

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