ジャガー XK140の乗り心地を何とかしたい!ダンパー交換で劇的改善なるか!?

Octane UK

『Octane』UK編集部の愛車日記。今回はロバート・コウチャーが愛車の1955年 ジャガー XK140の乗り心地についてレポートする。



このジャガーの乗り心地はいまいちで、以前から気になっていた。1940年代の設計ということもあり非常にシンプルで、サスペンションは低めに設定されており、リアアクスルは固定されている。固めのガスダンパー、すべて新品のポリブッシュ、そして太めのフロントアンチロールバーを装備し、このセッティングだとかなりハードでスポーティな乗り味になるはず…と思っていた。そんな折、このXKの整備歴と走行履歴が記された”リトル・ブラック・ブック(記録簿)”を確認したところ、このダンパーが15年も前のものであることに気づき、愕然とした。

グッドウッド・リバイバルに参加した際、トレードビレッジコーナーに出展していた「コニ・クラシック」のブースが目に留まり、ふらりと立ち寄った。そこでコニのサプライヤーである「パフォーマンス・パーツ・RFT」のゼネラルマネージャー、トレバー・リーに会って話を聞き、合点がいった。トレバーは30年ほど前から、私のアルファ・ジュリエッタ、ポルシェ356と912用に、コニのクラシックダンパーを電話一本で売ってくれている人物だ。コニはフェラーリの純正部品であり、ポルシェでもオプション品となっている。そして、このジャガーにも新しいダンパーが必要であることは明らかだった。



昨今ではガスショック(アブソーバー)が流行中で、車内から調整できるものもある。まあ、私のジャガーに付いているダンパーをいくら調整しても、乗り心地は不快なままだったが…。しかも、このジャガーはレーシングカーではないため、セッティングするほどの必要もない。トレバーに車重が1361kgであることを伝え、1セット165ポンドで注文した。彼は、私のXKにぴったり合う4本の美しいダンパーを送ってくれた。ハンプシャーにあるトワイフォード・ムーアズに持ち込み、メカニックのマーティンとジョニーがコニを装着してくれるのにかかった時間は1時間程度だった。



XKに再び乗り込み、私は家路についた。トワイフォード・ムーアの前の広場にはスピードバンプがある。私は歯を食いしばって身を固めた。が、そのこぶは“厳かに”乗り越えられた。その後、田舎道を200ヤードほど走るうちに、ジャガーが“生まれ変わった”かのごとく感じられた。A3高速道路に入ると、XKは路面にタイトに食いつき、かつコントロール性も高く感じられた。ついに快適な乗り心地を手に入れたのだ。ロンドンの道路は凹凸や荒れた箇所が多く、スピードハンプ、マンホールカバー、穴、横向きの鋭い盛り上がり等がいたるところにある。それでも、すばらしく吸収性の高いショックがすべてを吸収し、衝突音や衝撃は感じることも聞こえることもない。

コニ・クラシックスは油圧式のツインチューブ式ダンパーで、50年代、60年代、70年代のクラシックカーのいずれにも最適だ。古い時代のサスペンションはストロークが限られているので、油圧ダンパーによるクッションは不可欠だ。油圧ダンパーは実際のところ柔らかくはないが、常に張りのある状態を保つ。また、将来的には調整することで、摩耗を補うことができる。このダンパーの装着は、これまでかなり手を入れてきたXKの中でも、最高のアップグレードのひとつとなった。今ではこのジャガーXKは、ベントレーのような乗り心地を実現している。いや、それ以上… そう、まるで“ジャガーのような”乗り心地だ。


文:Robert Coucher

オクタン日本版編集部

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事