ミシュラン、JAL新規導入の「A350-1000」型機で独占タイヤサプライヤー契約を締結

Michelin

日本ミシュランタイヤ株式会社(以下「ミシュラン」)が、日本航空株式会社(以下「JAL」)が2023年度から導入するエアバス社の新型旅客機「A350-1000」の5年間にわたる独占タイヤサプライヤーに選ばれた。

ミシュランは、航空機用タイヤ製造の認可を得た世界で少数のタイヤメーカーで、全世界のラジアルタイヤを装着する民間航空機の50%以上のシェアを獲得しているが、JALの独占タイヤサプライヤーとして契約締結するのは今回が初めてのこと。JALが国際線の主力機材として位置づける「A350-1000」全機に、ミシュランの航空機用ラジアルタイヤ「MICHELIN Air X(ミシュランエアエックス)」およびリトレッドタイヤが装備されることになる。



MICHELIN Air Xには、一般的なラジアルタイヤと、ミシュラン独自の最新技術NZG(ニアゼログロース)テクノロジー注を採用したラジアルタイヤがある。ともに長寿命でタイヤ交換回数を低減し、タイヤ重量の低減による燃費向上と環境負荷の低減を実現。JALのA350-1000型機に装備されるMICHELIN Air XRは、NZGテクノロジーを採用し、一般的なラジアルタイヤを上回る軽量化により、さらなる燃費の改善につなげることができるという。また、タイヤ交換回数が減ることで、運航にかかる費用や時間も低減されることもメリットだ。

日本ミシュランタイヤ株式会社代表取締役社長須藤元は、以下のように述べている。
「JALの厳格な選定プロセスを経て、今後5年間のA350-1000型機向け独占タイヤサプライヤーに選ばれたことを大変誇りに思います。ミシュランの航空機用タイヤは、繰り返される着陸や極限状態でも高い安全性を保証し、特に新世代の航空機に最適です。軽量で、燃料を大幅に節約でき、航空の持続可能性をさらに高めることができます。また、複数回のリトレッドを行うことで、省資源とCO2排出削減にも貢献します。JALとの協働により循環型社会に貢献してまいります」

株式会社JALエンジニアリング部品サービスセンター長松岡俊彦氏は、以下のようにコメントした。
「ミシュランタイヤが駆使する最新技術による耐久性と耐損傷性の向上により、航空機運航の安全性を確保しながら、運航コストの低減につながることが、当社が新規に導入するA350-1000型機にMICHELIN Air Xを採用した決め手となりました」



航空機用タイヤは、表面温度が着陸時250度以上、フライト時マイナス50度という温度差への耐久性が要求され、また、荷重・速度・熱に耐えながら、航空機同様に軽量化が求められる。過酷な条件下で使用される航空機用タイヤには高度な技術が不可欠で、航空機用ラジアルタイヤは、数回のリトレッドを繰り返す前提で開発・設計されている。リトレッドタイヤは、原材料の使用量が減少するため省資源で、タイヤの使用期間延長により廃タイヤも減少し、CO2排出量削減、循環経済に貢献。「すべてを持続可能に」というミシュランの企業ビジョンを具現化しているといえるだろう。

オクタン日本版編集部

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