世界遺産京都仁和寺にカラフル&ユニークなポルシェが集結!「Porsche Garage 京都」開催レポート

尾形和美(Kazumi OGATA)佐藤亮太(Ryota SATO)

日本でポルシェの正規販売がスタートしたのはいつかご存じだろうか。なんと遡ること70年、終戦からわずか7年後である1952年のことだった。ポルシェと日本の関係は、70年という長い時間だけでは表せないほど深く、世界で最もポルシェファンの多い国のひとつだといえるのではないだろうか。そんな日本で開催されるポルシェのイベントは、自ずとエンスーの方も満足できるようなレベルの高いイベントとなる。



秋冷の時期にしては朝から気温が高く、少し汗ばむくらいの秋晴れの下、10月2日(土)にポルシェファン待望のイベント、第2回「Porsche Garage(ポルシェ ガレージ)」が、ポルシェジャパン主催で開催された。前回のポルシェガレージは、オクタンのギャザリングイベントではお馴染み、東京プリンスホテル駐車場で開催されたが、今回はなんと京都、それも世界遺産である真言宗御室派総本山 仁和寺にて開催された。

【画像】カラフル&ユニークポルシェで仁和寺を埋め尽くす(写真107点)



今回のポルシェ ガレージのテーマは「カラフル&ユニーク」だ。オーナー自身が「カラフル」「ユニーク」だと自負する車両であれば、正規輸入・並行輸入、モデル、年式を問わずエントリーできる。



言うまでもなく、京都は風情を非常に大切にしている街で、屋外広告物条例によって、派手なデザインの建物や看板は制限されている。京都のファストフード店やコンビニエンスストアの看板が、地味な色に変わっているのを見かけたことがある人も多いのではないだろうか。

しかし今回のテーマは京都の雰囲気とは正反対である「カラフル&ユニーク」。カラフルでポップなポルシェたちが厳かなお寺の境内に並んだ時、どんな化学反応を起こすのか。イベント開催前から、いつにも増して期待が高まっていたのは間違いない。



関西では初の開催ということもあり、事前エントリーには750台以上の応募があったという。その中から厳正なる抽選を経て、幸運にも選ばれた約100台のカラフル&ユニークなポルシェが仁和寺に集結した。残念ながら抽選に漏れてしまったオーナーの方々は、ぜひ次回のチャンスを楽しみにしていただければと思う。

今回は車のカラー別に整列展示をするため、参加者は色別に時間をずらしての来場となった。東京や熊本など、遠方からいらっしゃる参加者の方も見受けられ、見た目を美しく保っているだけではなく、車の整備状態も完璧であることが伺われた。毎度のことながら、イベント参加者の方々の、車に対する愛には脱帽だ。



参加者には、主催者からのサービスでドイツ発祥の菓子プレッツェルやコーヒーが振舞われたり、ステッカーなどの記念品が配られた。

会場となった仁和寺境内のステージ前には、718 ケイマン GT4 Tribute to 906が展示され、参加者の注目を浴びた。展示車両は初代911から現行の992型911までの911シリーズはもちろん、ケイマンやボクスター、914といったMRポルシェに、968などのFRポルシェ、さらにはマカンやタイカンといったモダンポルシェなど、多種多様なカラフル&ユニークポルシェが境内を鮮やかに彩った。



今回のポルシェガレージでも、前回同様、展示された100台の中から3台のポルシェが選ばれ、表彰を受けた。



Most unique賞
1966年式ポルシェ912 (アイリッシュグリーン)


元は、ボロボロの356を乗りこなす事で有名なアメリカのポルシェエンスージアスト マット・ヒュンメル氏が、カリフォルニアのガレージで数十年眠っていた個体を発見し所有していた物で、3年ほど前に現オーナーが譲り受けたそう。アイリッシュグリーンのペイントは、新車から60年近く塗り替えられることはなく、完全にオリジナルの状態だ。オーナー氏は、「艶は完全に引けてしまっていますが、その雰囲気はレストア車にはない、独特の『patina』のオーラがあります」と語る。



ご家族を乗せていらしていたのが印象的で、息子さんは、将来この車を受け継ぐかという質問に「うん」と一言頷いていたのがとても微笑ましかった。



Most Exciting賞
1996年式 993型911GT2 (ミッドナイトブルーメタリック)



911GT2のストリートバージョンは世界に57台しか存在せず、いわゆるミツワ物という正規輸入された一台で、非常に希少な車だ。オーバーフェンダーや巨大なリアウィングが装着されていることもあり、会場内でもひときわ目立つオーラが放たれていた。



Most Colorful賞
1992年式 964型911RS (ルビーストーンレッド)



まさにテーマのカラフルにふさわしい特徴的なカラーの964RSだが、実はこの色は、オーナー氏がこの車を購入したときにお付き合いされていた方が決めたそうだ。その方の「この色、素敵」という一言によって、彼のもとへと新車で嫁いできたルビーストーンレッドの964RSだが、残念ながら納車される前に、その女性はオーナー氏のもとを去っていってしまった。そのため初めは大嫌いな色だったそうだが、その方が夢に出てくることがなくなってからはだんだんと愛着が湧いていき、今では大好きなボディーカラーになったという。



オーナー氏にとって一生の恋人となったルビーストーンレッドの964RS。きっとこの車はこれからも彼の人生をカラフルに彩ってくれるのだろう。



選ばれた3台以外の車もカラフルかつユニークな車ばかりで、どの車もたまたま訪れていた参拝者の方や見学者の方々の目を引いていた。



次回のポルシェ ガレージについても、エキサイティングなイベントが計画されているという。近日中に募集が始まるとのことなので、続報をぜひ楽しみに待っていていただきたい。




写真:尾形和美、佐藤亮太 Photography: Kazumi OGATA, Ryota SATO

オクタン日本版編集部

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