ポルシェ ケイマンGT4 RSは「もし買えるなら、すぐに買った方がいい」|UK編集部による試乗記

Octane UK

Octane UK版編集部によるポルシェ ケイマンGT4 RSの試乗インプレッション。「すぐに買った方がいい」と断言する理由とは?



外観上は、本物のカーボン製パネル、サーキット向けの”グースネック”(S字型)ウィング、フロントスプリッター(リップスポイラー)、ゴールド塗装の巨大なホイールなどが目立つ。内装には、ロールケージ、Race-Texのダッシュボードなどが奢られる。そして、レヴカウンターは9000rpmまで刻まれる。今回、私たちの“遊び場”はサーキットではなく、ダラム州のノース・ペニーズ山脈を横切る、曲がりくねった一般道だ。この場所をご存知の車好きの方には、垂涎ものだろう。

その最低地上高は、ノーマル仕様のGT4と同じだ。GT4は、姉妹誌の『evo』が“オールタイムグレート=史上最高の車”と称した車である。フロントスプリッターは、通常のバンパーに追加されている。そしてこの車は、サーキットだけでなく一般道でも楽しめるように開発されている。また、ポルシェ社のミスター911 GT3ことアンドレアス・プレウニンガー氏が開発したものであることも忘れてはならない。



電気自動車が義務化されるまでには、まだ数年の猶予がある。なので、これを最後の砦と呼ぶのは時期尚早かもしれない。とはいえ、残された時間には限りがある。ちなみに、生産台数に制限はなく、単に発売時期が決まっているだけだ。というわけで、この記事の見出しを見て気持ちが揺らいだ方は、お早めにどうぞ。迷っている暇すらないかもしれない。

これほど痛快にドライブに出かけられる車はないだろう。車に乗り込んで“シートベルト”を装着する(私としては、“ハーネス”ではなく“シートベルト”と言うのが好きだ)。防音材がないと、より集中できる雰囲気になることがも分かった。カーボンファイバーで強化されたボンネットとフロントウイング、内側のドアハンドルとなるプルストラップ、軽量化されたリアウィンドウ、軽量化されたカーペットなど、重量を徹底的に軽減する工夫が施されている。

エンジンをかければ、自然吸気の4.0リッターフラット6エンジンがけたたましく鳴り響き、誇らしげなレッドゾーンに何度も注目してしまう。



アイドリング中でも耳をつんざく程の音はすさまじい存在感だ。それを聞いて、感じるのだ。何度も何度も。普段は静かなPDKトランスミッションの油圧の動きも、体にヒシヒシと伝わってくる。

砂利の上を走ると、タイヤハウスに衝撃が伝わる。そうなると、轍の上でホイールが揺れ、レーサーのように頭を揺さぶられ、怯えることになる。そうこうしているうちに、舗装道路に出た。ここで、プレウニンガー氏が指示しそうなことをする。つまり「ぶん回す」のだ。

なんということだ、この車はスリリングなほどに速い!493bhpのパワーを感じている3.4秒のうちに62mphに到達し、タコメーターがはしゃぎ回っている感じだ。他の718よりもローギアードで、2速でも9000rpmで72mphを実現する。基本的に、このような道では2速と3速を交互に使うことになるが、フラットシックスエンジンの性能を最大限に発揮させることができる。

時計のような音や唸り声に始まり、その後の爆音、軋むような音、怒鳴るような音など、これほどまでにカリスマ的なエンジン音も、変化に富んでいるエンジンもそうはないだろう。それでいて、深みがある。野生動物や田舎暮らしの人たちの迷惑にならないか心配になるが…

PDKのパドルシフトを叩いていく。手ではなく、ほとんど思考で操縦しているような感覚だ。シャシーの落ち着きが際立っていることで、すべてのつじつまが合う。とにかく柔軟にカーブを曲がり、一般道の轍や窪みを乗り越えていく。忠実でありながら決して揺るがず、跳ね返してドライバーに服従を強いるようなこともない。



特注のダンパーは値が張る。それはGT4を79bhp上回るエンジンも同様で、インテリアやボディの調整で35kgの軽量化も実現している。価格は108,370ポンド(日本での価格設定は18,780,000円)だ。31,840ポンドのプレミアムが付いたことになる。もし買えるなら、すぐに買った方がいい。というのも、売り切れた後にはさらに高額になることが予想されるからだ。


文:Glen Waddington まとめ:オクタン日本版編集部

オクタン日本版編集部

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