ピクニックの宴もイベントの一部!パリ横断 夏の部を現地からレポート【後編】

Tomonari Sakurai

この記事は「楽しさ満点!「Traversée de Paris」パリ横断 夏の部を現地からレポート【前編】」の続きです。



そういえば昨年のパリ横断は、記憶に薄いと思ったら雨だった。この「パリ横断・夏の部」の楽しみは、パリを旧車好きが集って一緒に走るというだけでなく、ゴール地点のムードンの公園でのピクニックだ。この街にはパリ天文台の一部である付属太陽観測所があり、公園となっている。ムードン城跡地を天文台としたところで、その庭園が公園になっているのだ。ここをゴールとし、ランチを外で楽しむ。今年は天候に恵まれ青空が広がり、からっと気持ちが良い日だった。ちょっと木陰に入ってランチを広げる。

サンドイッチの人もいれば本格的にランチを楽しみ人たちも。準備完了だ。

公園の入り口にはこのパリ横断を毎年楽しみにしているギャラリーが、折りたたみのイスを持ち込んだり、シートを広げたりして家族で車達の到着を楽しんでいる。ゴールもこのように盛り上がっているのだ。

レトロモービル主催者のブースに展示されたブラジエール。このようにこのゴール地点ではブースも出て一大イベントとなるのだ!

この公園の入り口に接地されたトイレが面白い。こういったイベントには仮設トイレが用意されるのは普通だ。だが、今年パリ横断ではその仮設トイレがバスなのだ。長距離バスのトイレを利用するのではなくバスを改造した仮設トイレ。これなら設置の手間も省けていい。中もきれいだ。僕自身初めて見たが、多くの人も同感のようで、写真を撮ってる姿が見受けられた。

移動仮設トイレ。バスを改造したトイレなのだ。

天文台に一番近い奥の方に陣取っているのはミリタリーヴィークルの一行。この一角は車にあわせて大戦中のアメリカ軍の格好をしてキャンプの雰囲気を出している。時々バグパイプによる演奏がここで行われた。

天文台をバックにアメリカ軍キャンプ。汽車の標識でよく見るとジープは線路走行用のモデルなのだ。

ジープは同じ連合軍、イギリスの砂漠の鼡SAS使用も参加。

お昼ちょっと前くらいに公園に車が入ってくる。決められたコースを走り抜いた車達がほとんどだが、車のコンディションや年式によっては全行程を走りきれないと判断して早々にゴールを目指す参加車も。もちろんペナルティなどはない。車好きと共にこの日を楽しめればそれでいいのだ。

沿道に集まる人たち。暑いので日影側に集まってる。車が通る度にカメラを向けたり声援を送る。

このムードンという街は高台にあり、ゴールまでに結構きつい上りがある。高台だから天文台があるというわけだ。そんな土地柄、ここではきつい自転車レースも行われるほど。これは旧車にも厳しい。公園に入るのに渋滞が始まり、太陽は高くなり気温も上がる。そうするとゴール目前にしてオーバーヒートする車も出てしまうのだ。公園の入り口は車がようやく一台通り抜けるほどの門。やっと到着したらその公園の門を前にエンスト。そこからしばらく再スタートができずに入り口を塞ぐというアクシデントも発生。そんなことを含めて1日を楽しむ。

自転車が到着すると一際大きな歓声となる。パリ横断もそうだがここに到着するまでの丘を登り切ったことへの賞賛だ。

丘を越えて到着した2ストサーブは早速エンジンルームを開けて冷却。いや、皆に見てもらおうというのだろう。

午後2時を過ぎると参加者のほとんどが到着する。トラクターや自転車、そしてバスなども無事到着したようだ。主催者であるヴァンセンヌ旧車クラブが手配したレッカー車は幸い荷台に何も載せない状態でムードンに到着。

パリ横断の主催者の一人、ブブさんのピー(カササギ)を載せた2CVも無事到着。

なんとポルシェ910の登場。

ヤングタイマー。2スト、ヤマハのRD350もタンデムで到着。

博物館から参加したバス。車がなくとも申し込めばこれに乗ってパリ横断に参加出来る。

最期はサポートカー。空で到着は良いしるし!

気持ちの良い夏空のように、気持ちよくパリ横断の宴は続く。このパリ横断が終わるとバカンスが本格的になる。街のあちこちは3~4週間のバカンスとなり、お店などは9月までシャッターを下ろす。車を含めイベントなども本格的なバカンスに入るのだ。


写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

写真・文:櫻井朋成

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