愛娘とBMWコンバーチブルでロンドン観光|渋滞のない市街はドライブには最高

Glen Waddington

1989年 BMW 320iコンバーチブルを所有する『Octane』UK版のグレン・ワディントン。ある日、絶好のドライブチャンスが訪れ、年頃の娘と出かけることに… 果たして娘は楽しんでくれるのだろうか。半年前の思い出話になるが、お付き合いいただきたい。



労せずして何かを得られることはほとんどない。しかし、クリスマスから新年にかけてのホリデーシーズン中、好条件が揃うという奇跡が起きた。ロンドン市長のサディク・カーンが渋滞税を一時的に止め、天気は季節外れに穏やかで、私の13歳になる娘は、彼女の言葉で「超ヒマすぐる〜」と言っていて、そして我が家のBMWは、たまには走らせなければいけない。そんな状態が奇跡的に揃ったのだ。こんな時は、ロンドンへ観光ドライブに行くしかない。

パンデミック以前は、私は数カ月に一度、ロンドンにある『Octane』の本社オフィスに通っていた。しかし、車で行ったことはない。ロンドン市内はとにかく渋滞がひどいし、電車のタイミングが良ければ、ドア・トゥ・ドアで90分で行けるからだ。私の家はノーサンプトンシャー州の森の中にある。電車という選択肢は、生粋のロンドンっ子が想像するよりも早い経路に違いない。でも車の場合、どっちを向いて運転すれば良いかすら分からないという有様だ。

私たちはケンブリッジに向かい、東側からM11を下ることにした。都会が近づき、周囲に垂直の建物がそびえ立つ直前のカナリー・ワーフでBMWのルーフを開けてみた。すると、今まで知らなかった都会の密集した建物やスカイスクレイパーを見ることができた。「まるでニューヨークだね!」と娘は嬉しそうだ。

観光地にも少し立ち寄り、ロンドン塔やタワーブリッジ、そしてシャッド・テムズエリアで停車してドックランズの写真を数枚撮った。数百ヤード離れたところの物凄い喧騒に比べると、その周辺はとにかく静かだった。その後、E5のスーパー無鉛ガソリンを探すこと1時間40分、見たところ、私が通ったところではどこも不足していたようだ。やっと見つけたところは1リッター1.68ポンド。カーン市長の寛大な措置のおかげだと思うと、余計に嬉しい気分になった。



西に向かうとなると、渋滞や喧噪に巻き込まれそうな嫌な予感もしたが、行ってみなければわからない。というわけで、私たちはドルイド通りに沿ったアーチを通り、タワーブリッジに戻り、堤防の横を走りながらロンドン市内を抜けた。ロンドンの中心部を歩くのはとても楽しいし、屋根なしのバスに乗るのもいいのだが、やはり自分の車の屋根を開けて、(シートヒーター付きの)自分の席で観光ができることほど最高なことはない。そして娘の笑顔を見れば、もはや「ヒマすぐる〜」という状態ではなさそうだった。



快走しながらビッグベンを過ぎ、バッキンガム宮殿までやってきた。左に曲がって、セント・ジェームジズ・ストリートやアルベマール・ストリート、そしてニューボンド・ストリートで、クリスマスライトに囲まれた洗練された雰囲気を楽しんだ。その後、ホース・ガーズを何周かし、遊び半分でバードケージ・ウォークやザ・マルまで行った。ここでは娘は「ヒマすぐる〜」だったかも知れないが、まだ13歳の少女なので仕方ない。

そしてリージェント・ストリート、ここは基幹的交通網が始まった通りだ。しかし実際のところ、そこは交差点と信号が連続するだけの場所で、混雑した歩道を歩くよりも、車から見学した方がずっと楽しい。

辺りは暗くなり始め、娘はおなかがすき始めたようだ。そろそろ帰る時間だ。でも、混み合った地下鉄や、列車を待つ時間とは無縁だ。ブロードキャスティング・ハウス(英国放送協会本社)を過ぎて、ポートランド街へ向かい、リージェンツ・パークの端まで行けばいいだけの話だ。A1に通じる馴染みのある道路ヘンドン・ウェイを通って、A41に入った。

渋滞税の数ポンドが節約できるというのは、今回のドライブのうってつけの言い訳なのだが、それでもULEZ(超低排出ゾーン)の課税で徴収はされる。とはいえ、すべての事柄にはそれなりの価値がある。渋滞がないときは、ロンドンは運転するのに素晴らしい場所なのだ。


Words: Glen Waddington まとめ:オクタン日本版編集部

オクタン日本版編集部

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