カフェレーサーの祭典「カフェ・レーサー・フェスティバル」は気温も気持ちもアツかった!

Tomonari SAKURAI

フランスはすでにバカンスに突入。9月初旬まで3カ月の長いバカンスが始まっているところもある。別れ際には「楽しいバカンスを!」と聞くようになった。日本だとそういった休みを利用してイベントやレースなどが行われるがフランスはバカンスは皆の物。だからイベントやレースも(運営する側もと言う意味)バカンスなのだ。ということでモンレリサーキットもバカンス前の最後のイベントが行われたカフェレーサー・フェスティバルだ。パリ近郊で行われるバイクの最大のイベントと言って良いだろう。

当日は今シーズン最高の36度。空気も悪く光化学スモッグ注意報。コロナ禍で縮小気味に行われた昨年のフェスティバルの分も盛り返すような盛り上がり。

駐輪場。フランスではバイクの人気は高い。冬場でもバイクを見かけないということはない。渋滞時のすり抜けは当然。だって十分な隙間があるのだから。それは車もしっかりと理解しているから。それこそが二輪と四輪の共存だと思う。

会場を廻ってまず最初に感じるのは日本とはまったく違ったバイク達の集まりだということ。カフェレーサーといえば日本だとSRのカスタムとロッカーズ的なイメージが湧く。それ自体がもう古い考えなのかもしれない。それと僕の世代だとバイクと言えば900Ninjaに刀。それらがまず見当たらない。ようやく刀は1台発見できた。ちなみに刀は当時正規で輸入されていなかった。

カフェレーサー、クラシックレーサーの波が来る前に登場してしまったため短命に終わったドカティ・スポーツクラシック。

スズキGT380のレーサー。チャンバーのまとまりなどが美しい。何より一体感のあるライダーのコーディネートも美しい。

カフェレーサーといえばこれだ!ノートンのフレームにトライアンフのエンジンを搭載したトライトン。

メインスポンサーがトライアンフということもあり、トライアンフの数は多い。もちろん新生トライアンフだ。ドカティはサーキットの定番だ。そしてその数を増やしているのがエンフィールド。ブースもかなり大きく取っている。大半は現行のモデルからやや古いモデル。クラシック・バイクは大分減ってしまっている。その中で日本車というとスズキが目立つ。特にGSX-Rだ。それとカワサキにホンダに6気筒モデルだ。フランスは6気筒好きのようだと毎回感じられるのだ。

メインスポンサーのトライアンフ。このほか、ロイヤルエンフィールドやドカティ、BMWは合間なく試乗を行った。それを目当てに来るライダーも多い。

新生トライアンフベースでトライトン使用にも出来るのだ。ヘルメットからスタイルもバッチリ!

カテゴリーに分けられたサーキット走行の合間には“ドリフト”と名付けられたアクロバット走行で盛り上がる。その技量も凄いが、バイクを見るとそれ専用にカスタムが施されていて興味深い。普通はリアブレーキはごく小さな物が付く。リアタイヤのロックを最小限にするからだ。アクロバットでは逆にリアをロックさせる。そのためにキャリパーが2つになっている。もちろんスプロケも巨大な物が着く。別次元の世界を垣間見た。

バイクのドリフト。アクロバティックなライディングに会場は更に盛り上がる。

アクロバット用のバイク。上部を潰したタンク、二つのキャリパーを装備したリア、タンデムステップの位置にタンデムようではないもうひとつのステップ。エンジンガードも。この仕様のバイクをフランスでは町中でもたまに見かけるのだ。

まあ、とにかく熱い!湿気はないもののオーブンの中にいるようだ。建物に入っても冷房はない。そんな中レザースーツにヘルメットを装着してサーキットを走り抜ける。走り終えると上半身裸で次の走行に備えてバイクの整備。レースではないものの皆真剣そのものだ。このフェスティバルが一気にパリの気温を上げていたのかもしれない。


写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

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