ワンオフカラーのホワイト・エンツォに注目!これぞ本物の白馬の騎士?

RM Sothebys

アルファロメオを率いてレースに出場していた頃から、亡くなる直前に発表したスーパーカーまで、エンツォ・フェラーリは生涯を通じて、世界を打ち負かすマシンを作ることに全力を注いできた。モータースポーツの頂点に立とうが、雑誌の表紙を飾ろうが、「跳ね馬」の名を冠した車は、テクノロジーとスタイルの最先端を行くものであった。フェラーリ・エンツォは、マラネロが一介のスポーツカーメーカーから、自動車史に燦然と輝く絶対的な存在への成長を象徴する車といえるだろう。

エンツォは、これまでの偉大なモデルと同様、ロードカーの限界に挑戦するために作られたモデルであり、モータースポーツのトップクラスから得た技術と、長年のパートナーであるピニンファリーナの手による異次元のスタイリングが採用されている。軽量なカーボンファイバーとアルミニウムで構成された先進のシャシーに、カロッツェリアの奥山清行が風洞実験によって作り上げたコンポジットボディが組み合わせられた。F50の巨大なリアウィングの代わりに、小型のアクティブスポイラーが採用され、繊細なグランドエフェクト・エアロダイナミクスを実現している。



エンツォの心臓部には、ライバルたちを凌駕する651psを発生する新開発の5,998cc V型12気筒エンジンがミドマウントされている。低速トルク、パドルシフトによるアグレッシブな加速、そして8200rpmのレッドラインに近づいたときの、目もくらむような咆哮が病みつきになる。先代のスペチアーレであるF50と同様、エンツォは性能とデザインの新しいベンチマークを打ち立て、わずか400台の生産台数で、現代における傑出したコレクターカーのひとつとなった。

フェラーリ エンツォは、スーパーカーコレクションにふさわしい希少な存在だが、今回RMサザビーズを通じてオークションに出品されたシャシー133023のエンツォはさらに特別なマシンだ。マラネロで最も価値ある、目の肥えた顧客だけに許されたエンツォ。非標準色で仕上げられた20台弱の「エクストラカンピオナリオ」エンツォのうちの1台であり、ビアンコ・アヴスというワンオフのカラーで生産された、世界に唯一のエンツォだ。



このユニークなカラーのフェラーリ・エンツォは、2003年5月22日に完成し、ネロ・レザー・インテリアにビアンコ・アヴスという印象的な組み合わせで、ロッソ・コルサのメーター、3Dブラッククロス・インサートの付いた特大カーボンファイバー・バケットシートが装備されている。この車はまず、ドイツのヴィースバーデンのフェラーリ・セントラル・ヨーロッパを経由して、スイスのマトランにあるシンボル・オートモービルに送られ、最初のオーナーであるドイツの大富豪に売却された。その後、2011年に香港に輸出されるまでは、マトランにあるブティックディーラーのウィンドウを飾るなどして、人目を引く存在であった。



左ハンドルが禁止の香港では未登録であったが、近年はフェラーリ・コレクションの中核として活躍し、現在の走行距離はわずか9,600kmに留まっている。この驚異的なエンツォは、多くのフェラーリの名車と同様、2012年11月にマラネロによってフェラーリ・クラシケの認定を受けている。さらに、この車は香港のフェラーリ正規ディーラーでフルアニュアルサービスを受けたばかりだ。



予想落札価格は4億3000万円と非常に高額だが、伝説の車、唯一無二の白いエンツォを手に入れるまたとない機会だ。

オクタン日本版編集部

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