ユニークすぎる尖った名車|走行距離900kmのオーテック・ザガート・ステルビオの販売価格は?

Octane UK

ザガートのバッジを付けた数ある車の中でも、ステルビオはとりわけ風変わりなルックスだ。それだけで注目に値する。オーテックは、いわば日産のビスポーク部門で、レーシングカーのチューンアップから障害のある人に合わせた改造まで、あらゆるカスタマイズで知られていた。ステルビオは、ラグジュアリーな装備とエキゾチックなスタイリングを誇る少数限定シリーズの第一弾として構想された。車名は名高いイタリアの峠にちなんでいる。

ベースは日産レパードで、豪勢な内装が組み合わされ、発売価格は1750万円(約7万8000ポンド)と、目が飛び出る金額だった。オーテックはメカニカル面の開発を担当し、3リッターV6エンジンの出力を約300bhpまで引き上げた。パワーは4段ATを介して後輪に送られる。当時の大半の日本車と違い、最高速は制限されておらず、150mphが出せた。



スタイリングについて、ザガートの裁量に任されたことは、ひと目で分かるだろう。ある角度から見れば端正だが、最も賛否が分かれるのはユニークな"フェンダー"ミラーで、クラムシェルのボンネット外縁部に一体化されている。それぞれに1個のNACAダクトを備えるスポークのないホイールも、外観のポイントだ。シャープなアルミニウム製ボディパネルは、イタリアでザガートがハンドビルドした。

インテリアはウッドパネルとレザーで美しく、そして趣味よく設えられている。1980年代後半の日本のハイテク装備一式が揃い、Boseの最高級オーディオシステムも搭載する。200台生産の予定だったが、1988~1991年に104台のみ製造され、これはその85台目。日本を離れたステルビオがほとんどない中、新車でイタリアへ渡った。現在、パリのディーラーのラル・ド・ロトモビールが、これまでただひとりのイタリア人オーナーから直接入手して販売している。シルバーのボディにブラックのインテリアは、驚くほど控えめな印象である。



信じられないほど希少なステルビオの中でも、これは新車同然、未レストアのコンディションだ。走行距離はたった900kmで、2020年に大がかりな整備を受け、走りも完璧。そのため、ディーラーが付けた価格は9万9000ユーロに上る。疑問の余地なく好き嫌いは分かれるだろうが、同じモデルと出くわすことだけは、まずないだろう。


編集翻訳:伊東和彦 (Mobi-curators Labo.) Transcreation: Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.)
原文翻訳:木下 恵 Translation: Megumi KINOSHITA

オクタン日本版編集部

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