着々と電動化が進むボルボ|XC90/XC60の現在地

Photography: Ken TAKAYANAGI



続いて、「XC60 Recharge Plug-In Hybrid T6 Inscription(XC60 リチャージ プラグインハイブリッド T6 AWD インスクリプション)」。



こちらもマイナーチェンジの際にフロントグリルがふくよかで立体的になり、クローム部分が立体的で広がっています。リアもテールパイプがビルトイン式となり、外から排気ガスが見えないようになって、見た目はすっかりEV 。







今回試乗したボディカラーは「サンダーグレー」。2年前から設定されているメタリックカラーです。「XC60 」は、私の知り合いではレースなどの経験豊富な人が乗っていることが多いので、プロドライバーが選ぶ車という認識。確かにスポーティで足回りも良く動き、取り回しもまずまず。

ボルボのイメージを大きく変えた2世代目の「XC90」。この「XC90」が素敵!と思っていても、ボルボのフラッグシップモデルだけにお値段が高く、しかもサイズが大きいため、次にフルモデルチェンジした「XC60」に期待していた人が多いはず。



ルーフは「XC90」よりは低いために、スタイリッシュでスポーティなデザイン。パワフルな走りとカジュアルな雰囲気を持ちながら、重量感のある落ち着いたラグジュアリー感も併せ持つ「XC60」は、街乗りからアウトドアまで対応する万能選手。世界中で人気なのも納得です。

こちらもエンジンは2リッターの直4ガソリンエンジン+ターボに2モーターを備えるPHEVで、電池容量「XC90 リチャージPHEV」同様18.8kWh 。パワートレーンは「T8」から「T6」に変更され、最高出力は253psで最大350ps 。リアモーターとの合計は350Nm。これらによって燃費は14.3㎞/h(WLTCモード)、EV走行距離は81㎞に大幅アップ!

そして「XC60」の一番のトピックは搭載された「Google」インフォテーメント。

この車は「Google」搭載車なので、グーグルマップで行き先設定をすると最適にEV走行してくれる「VEM」(ビークルエナジーマネージメント)がデフォルトで設定されます。

また、新インフォテイメント搭載車はワンペダルドライブが可能に。



その際、メーター内に道のマークと電池マークが表示されます。積極的にエンジンを作動して電池容量を増やす「チャージ」モードもあります。ドライバー用のディスプレイに「雫マーク」だとエンジン、「電池マーク」ではモーターが作動中の印ですが、こちらはXC60のみの設定。



ドライブセレクターで「D」モードから「B」モードに変更すると、回生力が強くなります。さらにBモードでは4段階の強さ調整ができ、B→B3→B2→B1という順番で表示され、 右に行くほど回生量が強くなります。さらにクリープのオン/オフの設定や、電池容量を減らさない「ホールド」、積極的にエンジンを作動して電池容量を増やす「チャージ」モードもあります。

これらは使わないは全く使わないかもしれませんが、燃費や運転の楽しさを追求したい人には積極的に使うことをお勧めします。下り坂などで上手にこの回生ブレーキを使って電気を増やせばかなりの燃費向上となりますので。

また、速度140㎞/h以下であればモーターだけ走行するピュアEV走行が可能となります。





これまでのボルボのカーナビでの行き先設定は、使いやすいわけでは無かったので「Google」は大歓迎!事前のプレゼンテーションでもボルボの方が「認識力が高くていつまででも会話できますよ」と言っていたので楽しみ~♡と思って使用してみましたが、個体差があるのか、私が試乗した「XC60」は行き先などの音声認識はまずまずですが、そのほかの日常会話部分は正直イマイチでした。ただし、話しかけを続ければ学習すると思うのでもっと普通の会話が楽しめるかもしれません。





柔らかく、しなやかで乗り心地も良く、さすがボルボ車人気No.1の実力。ちなみにタイヤはミシュランのプライマシー4 255/45R20でした。ボルボはドライバー支援や安全性能も高いうえ、設定の仕方も簡単!私がいつも感心するのは、ステアリングのスイッチには文字が一切なし。デザインだけでACCなどの設定が感覚的に操作できます。





運転支援も「インテリセーフアシスト」がサポートし、全車速追従機能付きACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、パイロット・アシスト(車線維持支援機能)など充実しています。とはいえ、ドライバーはステアリングをちゃんと握って、前方を見ていないといけませんが。でもこれらがすべて揃っているボルボ。トッピングで言ったら‘全部乗せ’。電動化になってもやっぱり最強かも。


XC60 Recharge Plug-In Hybrid T6 AWD Inscription
(XC60 リチャージ プラグインハイブリッド T6 AWD インスクリプション)
全長×全幅×全高:4710×1900×1660mm、ホイールベース2865mm、車両重量2180kg、乗車定員5名、エンジン1958cc直列4気筒DOHCガソリンターボ(253ps/5500rpm、350Nm/2500〜5000rpm)+モーター(フロント52kW/165Nm、リア107kW/309Nm)、トランスミッション8AT、駆動方式4WD、タイヤサイズ255/45R20、価格934万円(オプションは含まない)


XC90 Recharge Plug-In Hybrid T8 AWD Inscription
(XC90 リチャージ プラグインハイブリッド T8 AWD インスクリプション)
全長×全幅×全高:4950×1960×1775mm、ホイールベース2985mm、車両重量2340kg、乗車定員7名、エンジン1968cc直列4気筒DOHCガソリンターボ(317ps/6000rpm、400Nm/3000〜5400rpm)+モーター(フロント52kW/165Nm、リア107kW/309Nm)、トランスミッション8AT、駆動方式4WD、タイヤサイズ275/45R21、価格1169万円(オプションは含まない)


文:吉田由美 写真:高柳 健
Words: Yumi YOSHIDA Photography: Ken TAKAYANAGI

文:吉田由美 写真:高柳 健

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