あなたならどれを選ぶ?シリーズ別にジャガーEタイプを徹底比較する!

ジャガーEタイプ シリーズ1(1961-67。これこそオリジナルのEタイプ。最も収集価値が高いといっても過言ではない。

ジャガーEタイプを探しているなら、この記事を熟読してほしい。“誰もが選ぶ”Eタイプが、あなたにとって最善の選択とは限らないからだ。シリーズ1だけを見ても、望ましさには様々なレベルがあり、それは何を期待するかで変わってくる。



1961-67 シリーズ1


まずは正真正銘の初代、シリーズ1の3.8リッター“フラットフロア”から見てみよう(メイン写真)。その名のとおり、フットウェルがフラットなので、身長が170cmを大きく超える人は、快適なドライビングポジションを取りづらい。背筋を伸ばして足を窮屈に押し込むしかなく、ペダル操作にも苦労する。

しかし、XKエンジンの中で最も甘美なのが3.8だ。後期の4.2と同等にパワフルで、吹け上がりはいっそう鋭い。初期Eタイプが一般のイメージとは違ってGTではなく、純粋なスポーツカーだと実感させてくれる。そう考えれば、ドライバーへの要求が高いことも頷けるだろう。典型的なのがモス製ギアボックスである。少しばかり神経質なユニットで、シフトアップ、ダウンとも慎重なダブルクラッチが求められる。摩耗していたり、リビルドの質が低かったりする場合は特にそうだ。ストロークは前後とも長いが、横方向は非常に短い。

それでも、モス製ギアボックスをマスターすれば、機械を思いどおりに操る満足感を味わえ、最終的にはすべての苦労が報われる。また、それが独特の個性にもなっている。ブレーキは前後ともディスクブレーキで、1961年当時としては先進的だった。現在の基準では食いつきが弱いが、パッドのアップグレードで簡単に改善できる。とはいえ、ここまで読めば、“フラットフロア”はEタイプを日常的に使いたい人が手に入れる車でないことが分かるだろう。

そういう人は、1962年6月以降の3.8を選ぶべきだ。フロアにヒールウェルが設けられ、シートの後ろにくぼみがあるので、足を伸ばす空間を確保できる。これで運転のしやすさが大幅に向上し、3.8Eタイプは真に特別なモデルになった。ただし、モス製ギアボックスはそのままだ。

あるいは、1964年10月に登場した4.2リッターのシリーズ1を選ぶ手もある。4段ギアボックスがジャガー製オールシンクロメッシュとなり、排気量の拡大でトルクも増えて、ドライビングがさらに楽になった。アメリカ仕様のストロンバーグ製ツインキャブレターでは苦しそうだが、より一般的なSU製トリプルキャブレターなら、4.2ユニットは朗々と歌う。3.8ほど甘美ではないかもしれないが、大きな違いではなく、トルクの増大には十分な価値がある。ブレーキも改善している。

4.2の時代になってから2+2が登場した。美しさではフィクストヘッドクーペやロードスターに劣るが、リアシートが必要なら検討の余地はある(ただし、後席は狭い)。後期3.8と4.2には失ったものがある。初代3.8の粋なアルミニウムのセンターコンソールが、トリムで覆われたのだ。ジャガーはいったい何を考えていたのだろうか。

1961年ジャガーEタイプ・シリーズ1*
エンジン:3781cc、直列6気筒、DOHC、SU製HD8キャブレター×3基
最高出力:265bhp/5500rpm 最大トルク:36kgm/4000rpm
変速機:4段MT、後輪駆動
ステアリング:ラック&ピニオン
サスペンション(前):ダブルウィッシュボーン、トーションバー、テレスコピック・ダンパー、アンチロールバー
サスペンション(後):固定長ドライブシャフト、ラジアスアーム、ロワートランスバースリンク、
コイルスプリングとテレスコピック・ダンパー2組、アンチロールバー
ブレーキ:ディスク 車重:1232kg 最高速度:240km/h 0-100km/h:6.8秒
*断りがない限り、この記事の仕様はすべてイギリス市場向けクーペのもの

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下恵

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