2年ぶりに開催中!フランスのクラシックカーイベント「レトロモービル」現地レポート(その1)

Tomonari SAKURAI

2年ぶりの開催となるレトロモービル。まさにその開催週にワクチンパスポートとマスク着用義務が廃止された。それはまるでレトロモービルのために行われた措置のようなタイミングだ。とはいえ、フランス国内ではこのコロナ禍を利用して各地で大規模な工事や改修工事を行っている。開催場所のポルト・ドゥ・ヴェルサイユ展示会場も大改修工事中で、半分のホールがほぼ新設になるようだ。本来であればそのホールでレトロモービルが行われるのだが、今回は工事中のため別のホール(ホール7の二つのフロア)を使用して開催された。今までのレトロモービルに比べると半分以下の面積だろうか。そこにこれまでと同程度の人数の来場者が入れば、賑やかというかごった返しているというか、そんな状態になるのは必至だ。入口のセキュリティ、そして入口階へ向かう細く長いエスカレーターには長蛇の列ができていた。

2年ぶりの開催!

最初の階には“300万円以下で買えるヴィンテージカー”コーナーや、メインスポンサーでもあるアールキュリアル・オークションが大半を占め物販に重点を置いている。エスカレーターを上がるとそこにはシトロエンやルノーのメーカーブース。こちらは展示がメインとなる。

入場するとお花に囲まれたプジョー301がお出迎え。

今年のレトロモービルのレポートでは、まずシトロエンやルノーのメーカーブースを中心にお伝えしよう。シトロエンではBXが40周年で、盛り上がり方は控えめだ。ブースも小さく展示車両も少なめ。



シトロエンCX2000が展示されている。

その横にC5Xが。シトロエン最新モデルを展示。このC5XはコンセプトカーのCXperienceをベースにしている。そんなところからCX2000も展示していたというわけだ。

そして今回のちょっとした主役に40周年記念のBX。

対してルノーは元気だ。いつもと変わらない広さを確保。今年はルノー5の50周年の展示だ。ルノー5が並んだブースでは50年前のルノー5が展示されていた。50年前を再現したのではないかと思うような雰囲気で、その場にいると当時にタイムスリップしたような不思議な感覚に取り憑かれた。ルノー5の多くのバリエーションを展示する中に、今年に入って発表されたEVのルノー・サンク・プロトタイプも展示された。

対してルノーはホールの中央に広々ととった、ブースに50周年を祝うために集められたルノー5の展示だ。

憧れの車というよりはもう懐かしさで立ち止まる人が多い。

あと数年でパリではEVしか走れなくなる。そこでルノー5はEVとして蘇るのだ。

”ルノー5アルピーヌカップ”や”フォーミュラールノーフレンチ選手権”などルノーは宣伝にレーシングシーンを多く取り入れていた時代。クローズドサーキットを闘うために作られたルノー5スーパー・プロダクション。

その隣には、フランス国家憲兵隊が展示スペースを設けていた。映画などでよく見かけるルノーエスタフェットや、アルピーヌA310をはじめ、ヘリコプターまで持ち込む力の入れようだ。

国家憲兵隊のマトラ・ジェット5S。

高速道路で取り締まることが多い憲兵隊。常に速い車を採用する。

そしてもうひとつ。ランボルギーニのポロストリコも、毎年恒例ともいうべきスタイルのブースを構えていた。

ランボルギーニのポロストリコ。ミウラのボディレストアを見せる。

前回まではボディのみの展示だったが今回は車両での展示となったカウンタック。

今回のレトロモービルは、とにかく少ないホール、小さなブースで出展ブースも少なめ。ちょっとイベントとしては寂しいけれど、訪れる人たちの情熱は変わらない。次回はアーキュリアルオークションを覗いてみたいと思う。


写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

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