ホンダZ600で出かけたマイクロカーのイベントに、メッサーシュミットしかいなかった残念な理由

Richard Heseltine

『Octane』UK版スタッフのリチャードが3年前に手に入れた1971年ホンダZ600。マイクロカーが集まるイベントに出かけたそうだが、どうやら計画通りにはいかなかったようだ。



このホンダZ600の共同所有者であるクリス・リーズが、『ナショナル・マイクロカー・ラリー』への参戦を勧めてきた。そのプランは一石二鳥のはずだった。私達が3年前にトリノでこのZ600を入手してから、クリスはずっと手入れをしてくれている。その間、このかわいらしい車はさまざまな場所のガレージを転々とし、安住の地をまだ得ていなかった。クリスがケアしてくれているのをいいことに世話の義務を回避し続けてきた私にとって、これは一歩前に進むべきチャンスだった。私の家には2台分のガレージがあり、それはホンダZ600を1台置くには充分すぎるスペースなのだから。

残念ながら私のガレージには、何年もの間ずっと家具や衣類が山積みにされていた。というのも、一生かかりそうな建て替えプロジェクトが進行中で、そのせいでどうにもできなかったのだ。このホンダZ600を保管するとなれば、背の高いタンスに潰されないか、フランス製のドレッサーに激突しないか、などと心配だった。

ともあれ、置き場所は確保した。多忙なスケジュールにも関わらずクリスが時間を取って、シェズ・へッツァまで運転してきてくれることになった。私達は一緒に食事をし、翌日は早くから、シュロップシャー州の風光明媚なキャラバンパークまでの25分間のドライブに出掛る、はずだった。

計画は遂行されたが、まったく予定通りに事は運ばなかった。まず、クリスが我が家に来るまで。クリスの楽しいはずのドライブは悪夢となった。このホンダZ600は調子の良い時でも、エンジン内の爆発不足のためカチカチと音を立てている。調子は万全ではなく、サリー州から私の自宅に向かう間は苦行となってしまった。そして、混雑する金曜の夕方という最悪なタイミングで高速道路「M6」に入る羽目となり、さらに豪雨が追い打ちをかけた。暗い裏道に差し掛かった頃には、聖書に出てくるような天候になった。そこでは局地的な洪水が起きていたのだ。

それにも関わらず、クリスはなんとか我が家に到着し、翌日は快晴となった。明るい日差しのもと、無事に私達はラリー会場に到着した。だが、そこには1台のメッサーシュミットと数台のキャラバンがいるだけだった。

実はこのイベントは2日間の開催で、土曜日のスケジュールには公道走行が含まれており、他の車たちは皆そちらに参加していたのだ。どうりで車がいないわけだ。仕方がないので私達は近隣の美しい場所やパブを訪れ、午後遅くにまた会場へと戻った。公道走行から帰ってきた参加車両が数台いて、オレンジ色仲間の写真を収めることはできたが、収穫はそれだけ。そこでその日は終了となった。





…今回のプランに問題があったとすれば、それは「このプランそのもの」に違いない。


文:Richard Heseltine まとめ:オクタン日本版編集部

オクタン日本版編集部

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