Ferrari 70th Anniversary at Fiorano
千人以上の熱心なフェラーリファンたちと共に創立70周年をマラネロで祝う。世界中で開催された一連のアニバーサリー・セレブレーション。そのハイライトというべきイベントが、9月9日〜10日の2日間に渡り、モデナのフィオラノ・サーキットを舞台に開催された。
マラネロを訪れる。フェラーリファンでなくとも、車好きなら一度は"やってみたい"ことだろう。それだけでも憧れるというのに、何か特別な日に聖地を訪ねることができたなら。それこそフェラーリファンの本望というものだ。
土曜日の午後、マラネロの中心部に近づいてみれば、普段の様子からは想像できないほど、"真っ赤な人々"で賑わっている。いつもはテストカーかレンタカーでしか見ない跳ね馬が、うじょうじょとそこら中にいる。
メインイベントはフィオラーノ・サーキット内で行なわれた。限られた顧客しか入れない。やってきた多くの人たちは、ただ同じ場所で祝福するためだけに集まってきたということ。彼らの"お目当て"は、モデナとマラネロで行なわれた名馬パレードだったのだろう。インターナショナルツアーの跳ね馬たちも何百台と集まったから、街に来ただけでも十分にお祭り騒ぎができるというわけだ。
普段は滅多に入れない、スクーデリア・フェラーリ脇の裏口からプレスをのせた小型バスがフィオラーノの中へと入っていった。コルセ・クリエンティの建物を見ながら、トラック脇へ。コース脇に並ぶ色とりどりの跳ね馬たちが見えてきた。
バスを降り、ゲートへ一目散!厳重なパスチェックを受けて、いざ、フィオラーノ内へ。有名な建物群を正面に、左手、トラックコースが立体交差へと向かう登りの右コーナーあたりを中心としたコースサイドに、コンクール出展車両が20のクラスに分かれて展示されている。その数、ざっと120台。さすがに大規模だ。
右手には大きなスタンドが見える。メインイベントステージが置かれ、その向こうに、これまた巨大なホスピタリティテントが設えてあった。
土曜日の午後は、ステージにおいて話題のRMサザビース・オークションが開催された。最初から最後まで、スタンドで"鑑賞"する。最高落札車は、チャリティオークション用にフェラーリが出品した210台目のラフェラーリ・アペルタで、落札額はなんと830万ユーロ!軽く11億円超え(手数料除く)だ。その他、250GTカリフォルニアスパイダーLWBの700万ユーロや、250GT SWBコンペティチオーネの735万ユーロなど、ミリオンユーロが続々と落札されていく。キースリチャードが1stオーナーだという400iが30万ユーロには驚いた!
その夜は、セルジオ・マルキオンネ会長兼CEOによるスピーチに始まり、降りしきる雨のなか歴代のGTやレーシングカーによる"歴史絵巻"が繰り広げられ、〆のジャミロクワイ登場で、会場は騒然。イベントは深夜まで続く。
翌日、日曜日のハイライトは、コンクール・デレガンスの表彰だった。20クラスのそれぞれ3ベストが発表され、壇上に招かれる。クラス1位の20台のなかから、この記念すべきイベントのベスト・オブ・ショーが発表された。チーフジャッジのアロルフォ・オルシが、GT部門はテスタロッサ・アニエッリ・スパイダー、レース車両部門は340MMヴィニャーレ、と告げると、大歓声が巻き起こり、70周年イベントinマラネロは参加者の大満足とともに、無事、その幕を下ろしたのだった。
文:西川 淳 Words: Jun NISHIKAWA
本記事は9月26日に発売のオクタン日本版特別編集「Ferrari 70th」に全文が掲載されている。
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