意外と知られていないかも? アストンマーティンとトラクターの関係

Historics Auctioneers

アストンマーティンの「DB」シリーズは、1947年から1972年まで同社のオーナーだったデイヴィッド・ブラウンの頭文字を冠したものであることはよく知られている。だが、そのデイヴィッド・ブラウンがトラクター製造業を営んでいたことは意外と知られていないかもしれない。

デイヴィッド・ブラウンは、1931年に一族が経営する歯車の生産会社デイヴィッド・ブラウン・ギア・カンパニー・リミテッドのMDとなり、1936年にハリー・ファーガソンと共同でファーガソン-ブラウン・トラクターを興し、ウェストヨークシャーでトラクター製造業を開始する。革新的な企業であったファーガソン-ブラウンは、トラクターの最大メーカーのひとつとなったが、その後経営不振に陥り、1972年にはアストンマーティンの経営からも手を引くことになった。



ここで紹介する1965年 デイヴィッド・ブラウン770 Selectamaticトラクターは、イングランド北部の農場で実際に農作業に供されていたものだと考えられている。約28年間所有していた当時のオーナーが、2013年から2014年にかけて良好なコンディションにレストアしたという。



その後、2015年に次の所有者が購入した後も控えめにではあるが使用されていたようだ。トラクター愛好家であり、デイヴィッド・ブラウンを複数台所有している彼は、この770を大切にケアしていたという。3気筒35馬力、12速ギアボックスが搭載されたこのトラクターは、新しいバッテリーを備えており、ボタンを押せば一発で始動する。トラクターの油圧とパワーテイクオフも正常に機能し、意図通りに使用することができる状態になっている。



このトラクターは昨年開催されたHistorics Auctioneersで7245ポンド(約110万円)で落札されている。アストンマーティンのファンであれば、その歴史の一部をこんな形で所有するのも一興かもしれない。

オクタン日本版編集部

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