ボロボロのフェラーリは推定落札価格を上回ったか? フェラーリコレクターがお宝を大放出したオークションの結果

Tomonari SAKURAI

コロナ禍以前は、この時期になるとレトロモービルにオークションと、パリは旧車に染まっていた。レトロモービルはコロナ禍で2回中止。今年は3月に時期をずらして開催される予定だ。しかし、レトロモービルの外で行われる2大オークションは例年通りこの時期に開催された。

ひとつはボナムスのオークションで、毎年グランパレでおこなわれる。1900年のパリ万博のために作られたガラスの天井を持つ展示場だ。自然光が入り込んで車がより美しく見える。開催の知らせを聞いて会場に出かけると、グランパレはしっかりと足場に囲まれ改修工事中。たしかにオークションはここグランパレで開催されると書かれているのだが… 問い合わせてみると、今回は普段のような展示はなく、見たい車があればその日の10時までに連絡すれば用意してくれるという体制らしい。つまり今回は車を見ることができなかった。コロナ禍でイベントなどが制限されているため、これを機会に各地で修復工事がおこわれている。その一環でグランパレの大改修工事をしているのだ。ある意味、このオークションの撮影ができなかったのもコロナのせい(?)ということにしておこう。

気を取り直してRMサザビーズのオークション会場へ。今回はヴァンドーム広場の駐車場地下4階だという。果たして見つけられるのか?と心配しながら行くと、こちらは目印の旗が立てられていて入り口も分かりやすい。ワクチンパスポートを提示して地下4階まで徒歩で向かった。

パリの平和通りにある高級ブティック、ホテルが集まるヴァンドーム広場。ラリー・デ・プランセスのスタート地点でもある。この地下駐車場が会場だ。

本来は一般駐車場である地下4階部分を貸し切り、内装を整えた上でオークションがおこなわれていた。ボナムスが前述のような状況だったためか、こちらのRMサザビーズは賑わっている。今回のオークションはフェラーリコレクターが放出した1959年から1989年のフェラーリが目玉となり多くの人が集まってきているようだ。マルセル・プティジャン。レーシングドライバーでもありコレクターでもある。2020年に同じRMサザビーズで彼のコレクション100台を一気に放出したオークションが開催された。今回はフェラーリを放出したのだ。今日はこのフェラーリ達を見ていただき、次回はフェラーリ以外の出展車を紹介することにする。

フェラーリF310のショーカー。ミハエル・シューマッハがフェラーリでの最初のシーズンで使用したモデル。2010年プティジャンが買い取るまで南仏にあるムージャン博物館で展示されていた。2800万円で落札。

プティジャンが26年維持したフェラーリ250GTシリーズ2。カブリオレは1959〜1962年に製造されシリアルナンバーは41の車体。1億5千万円で落札。

プティジャンが35年維持していた1963年のフェラーリ250GT 2+2 シリーズ3。約3400万円で落札。

シルバーボディと赤いインテリアは納車時からのオリジナル。350台生産されたうちの227番目。プティジャンのコレクションとして35年間維持された。1億5600万円で落札。

新車時にフランスにデリバリーされたフェラーリ330GT 2+2 シリーズ1。2800万円で落札。

1万キロに満たない走行距離のフェラーリ288 GTO。4億5600万円で落札。

フェラーリ 330GT 2+2 シリーズ2。落札価格は2500万円。

1966年に生産された最初のモデル。パリサロンで展示された後フランスのファッションデザイナー、シャルル・ジョルダンが購入し、2番目のオーナーとしてプティジャンが購入。3億1200万円で落札。

写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

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