3億円を超えるか!? シェルビーが造ったレーシング「#10001」2000GTがFor Sale

Copyright and Courtesy of Gooding & Company, Images by Josh Hway.

わずか351台しか生産されなかったトヨタ2000GT。そのうち、アメリカにはおよそ60台が輸出されたといわれている。ここで紹介する1967年2000GTのシャシーナンバーはMF10-10001。つまり生産第1号車である。もともとはソーラーレッドで仕上げられていた右ハンドルのこのMF10-10001は、トヨタ・モーターセールスUSAが2000GTをアメリカで紹介および宣伝するために海を渡った1台だ。

プロモーション活動の任務を終えたMF10-10001は、SCCA(スポーツカー・クラブ・オブ・アメリカ)に参戦するため、かのキャロル・シェルビー率いるシェルビーアメリカンと協力することになる。SCCA参戦に向けて両社のエンジニアが協力し、この車両の外観や機関のモディファイをおこなった。

MF10-10001は、その短いレースキャリアを終えたのち、何人かのコレクションを経て1980年に2000 GTスペシャリストの第一人者として広く認められている紳士の手に渡った。彼は、この貴重な車を元の素晴らしい状態に戻すために、ワークショップで完璧なレストアを施すためにその後10年を費やしたという。



長年にわたるリサーチと綿密な計画により、この個体はオリジナルの1968年のSCCAコンフィギュレーションに忠実に復元された。独自のシェルビーのメカニカルコンポーネントや歴史的なホワイトとメタリックブルーのレーシングカラーも、もちろん復元されている。



レストア後は、イギリスのグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードや、アメリカのアメリア・アイランド・コンクールデレガンスなど、数々の重要なイベントに出展され、クラス優勝も果たした。シャシーナンバー10001であり、さらにキャロル・シェルビーとのSCCAレーシング・プログラムで果たした重要な役割を考えると、まさにこれまでに製造されたトヨタ車の中でも最も重要で、最も影響力のある最高の日本車のうちの1台だといえるだろう。



1980年以来、ひとりのオーナーの所有下にあり、これまで一度も公で販売されたことはなかったこの車両がなんと、3月4日に開催されるGooding & Companyのアメリア・アイランド・オークションに出品されることになったという。推定落札価格は2,750,000~3,500,000ドル(約3億1600万~4億円)となっている。どんな人の手に渡るにせよ、貴重な自動車文化遺産として大切に次世代に受け継いでほしいと願う。


Copyright and Courtesy of Gooding & Company, Images by Josh Hway.

オクタン日本版編集部

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事