世界に一台のRWB「サムライポルシェ」!車のモチーフになった歴史的武将とは

Auto Mystique Car Care (C) 2022 Courtesy of RM Sotheby's

今や世界的にその名を知られるようになったラウヴェルト・ベグリフ(RWB)は、千葉県の田舎にある小さなボディショップから始まった日本発祥のポルシェ911専門チューニングショップだ。メカニック、ドライバーとして活躍していた中井啓氏がオーナーを務め、1台1台手作りでボディワークや足回りのセッティングを施し、日本とヨーロッパのチューニングの要素を融合させたポルシェを生みだしている。ベースにはポルシェ930、964、993など空冷モデルのシャシーを用いて、ワイドボディ、フレア状のホイールアーチなど一目見れば分かる"RWBスタイル"を確立している。

創設から24年が経った今では世界中で注目を集め一種のブームを巻き起こしているが、そのすべての車両は中井氏が製作を担っている。カスタマーと綿密に打ち合わせを重ねていき、"世界に一台"を共に作り出していくのだ。また、"お客様一人につき一台しか製作しない"というスタンスも、注文者の熱意を駆り立てる要素のひとつなのだろう。一台にどれほどの情熱とこだわりが注がれているのか、と考えてみるとプライスレスの世界である。


この写真のモデルは、1995年1月19日にポルシェのシュトゥットガルト工場で完成し、3.6リッターエンジンを搭載した911カレラクーペとしてラインオフされた。グレーとブルーのレザーインテリアにアイリスブルーメタリックで仕上げられ、プエルトリコで最初のガレージ生活を過ごした。



そして、2016年6月に現在のオーナーによって購入されたポルシェはドバイに輸出され、そこで驚くべき変身を遂げることになった。この車はレッド、グリーン、ブルーと3台作られたドバイでのRWBプロジェクトの一部として2016年末に作業が開始され、それぞれがわずか2日で改造されたといわれる。アイスブルーメタリックのペイントはすべて剥がされメキシコブルーで再塗装された。はじめのうちは単にメキシコブルーのボディだったが、後に16世紀の日本の侍 豊臣秀吉にちなんで「Hideyoshi」というユニークな名前が付けられている。日本人であればどこか親近感を覚えるだろう。改造後は、ブラックレザーとアルカンタラのインテリアが新たに組み合わされている。



2021年6月17日には、高い評価を得ている日本のアーティスト ロームカウチがドアとシルにペイントを施した。この車両は、ロームカウチが手がけたとされる最初で唯一の車両であり、デザインはまったくユニークなものだ。機械的には、この911は2021年10月にドバイのAlex Renner Motors Garage LLCによって整備がおこなわれている。エンジンオイルとフィルターを交換したほか、キャビンフィルター、燃料フィルター、スパークプラグも交換。さらに、ターボベルトと2本のVベルトを含む3本のベルトが交換されている。



この完全に生まれ変わったポルシェ911カレラクーペは、中井氏とRWBの素晴らしいクラフツマンシップが込められたユニークなワンオフモデルである。現在RMサザビーズのオークションに出品されており、残り3日の時点で98,000ドル(約1126万円)となっている。まだまだ値段は上がっていくだろう。ここはぜひとも豊臣秀吉にゆかりのある日本人のもとへ渡ってほしい。また、希少な車ではあることは確かだが、ガレージにしまい込まれることなく、RWBポルシェならではの走りを楽しんでほしいものだ。


Auto Mystique Car Care (C) 2022 Courtesy of RM Sotheby's

オクタン日本版編集部

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