まさに「家宝」。博士が50年間所有し続けたポルシェ550スパイダー

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ポルシェ550スパイダーは、ル・マン24時間レースやミッレミリアなどのレースで成功を収めたモデルとして、ポルシェのレーシングヒストリーにおける最も重要なモデルのうちのひとつといえるだろう。1,500ccのエンジンを搭載して、より大きな排気量のライバルに挑み、勝利を収めたことから「ジャイアントキラー」と呼ばれたことでも有名だ。

ここで紹介する550スパイダーは、550がル・マン24時間で総合4位になった1955年にシャシー番号550-0036として製造された車両である。

ファクトリー出荷後、このスパイダー“0036”は、最初の所有者である有名なドイツ人レーシングドライバーであるフランクフルトのテオ・ヘルフリッヒによってレースに参戦した。ヘルフリッヒは1953年のフォーミュラ2チャンピオンであり、フォーミュラ1のベテランドライバーでもあった。1952年のル・マン24時間レースでも総合2位でフィニッシュしている人物だ。



当時の多くのドイツのスポーツカーと同様に、この550スパイダーは1959年にドイツに駐留していたアメリカ軍の兵士が購入し、その2年後にアメリカに持ち込まれた。1960年代半ばまで、ロード・アメリカを含むアメリカ北中西部においていくつかのSCCAおよびスポーツカーイベントでレースに出場している。その後、フロリダへと渡ったこのスパイダーは、1972年12月に著名なコレクターである故ゲイリー・クアスト博士が所有することになった。



博士はこのスパイダー“0036”を半世紀もの間、大切に所有し続けた。その間、フロリダ州レイクパークのウィリソン・ウェルクスタットによって、5年の歳月をかけて丁寧なレストアが行われている。エンジンには、伝説的な4カムエンジンのスペシャリストであるビリー・ドイルがリビルドした547ユニットが取り付けられた。ちなみに、このエンジンは、オリジナルのスパイダー“0036”と数字がわずかひとつ違いの“90-035”だという。また、ギアボックス(10027)もオリジナルを保持しており、レストア後は100マイル未満しか走行せず、きわめて良好なコンディションが保たれている。



博士の家宝ともいえるこの550スパイダーは2000年代から公の場に出ることがなかったが、3月にフロリダで開催されるボナムスのアメリア・アイランド・セールに出品されるという。推定価格については要問合せとのことだ。

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オクタン日本版編集部

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